サブカル大蔵経432ピーター・シンガー/山内友三郎訳『私たちはどう生きるべきか』(ちくま学芸文庫)
倫理と日常
倫理から遠い日常
倫理を遠ざけて来た日常
不倫、コンプライアンス、史上最も倫理が問われる時代の日本。
ピーター・シンガーについては、動物福祉のことで、名前だけは知っていました。
著者は日本文化も引用しながら、人間の生き方を愚直に問いかけます。
正解やルールは流動的なんだと思います。問うことをやめた時、どうなるか。
倫理的な反省をする生き方とは、規則を遵守することではなく、反省して得られた結論に従って行動すること。p.17
倫理とは〈規則を守ること〉ではない。規則を守ることが目的になると、反省を妨げ、倫理からさらに遠ざかると。
カルヴァン救済予定説。善行を行っても道徳的に申し分ない人生を送っても、救済を手に入れることはできない。救済は必ず神の恩寵によって与えられるものなのである。p.128
プロテスタントの中でもカルヴァンの考え方はやはり突き抜けています。浄土真宗の他力や阿弥陀信仰と似ているかも。
寛容であれ。ひとつ協力的な行為するだけで良い。p.271
ひとつだけ、協力的な行為
義務を果たさなければならないと言う理由だけで行われる行動にしか道徳的価値が認められないというカントの考えは、放棄しよう。p.333
カントの影響力あっての西洋の倫理検証があると思います。日本も儒教や仏教のもとで培われた倫理が再検証されるべきか。
ギルガメッシュと同じくゴータマ・シッダルタも王子であり。p.338
元王子同盟
日本の古い寺院を訪れたら拝観券の裏に戒律が印刷されている。p.340
拝観券という小宇宙
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