サブカル大蔵経380鈴木栄造『日本俗信辞典 植物編』(角川ソフィア文庫)
全国で収拾された植物の言い伝え辞典。なぜか「植えちゃいけない」禁忌が多い。周りのやっかみなのか、実害なのか。
それにしても日本の植物の多様性というか、生活との関わりの深さにあらためて驚かされました。
当時、野菜や果物は、食材だけでなく、医療や薬の代わりだったんだなと。いや、実は現在も宣伝されているサプリの内容も本書の内容とほぼ変わりないことに気付きました。恐るべし本草学。
他人が気づかない間にへそに小豆3粒を入れるとメモライは治る【石川県】p.24
本辞典は、症状も対処も地域も執拗に具体的でした。
イチジクは病人の唸り声が好き。【新潟佐賀富山】p.51/イチジクは痔に効くp.53
イチジクの妖しさ。
銀杏は水気を吸収することが甚だしいp.57
境内専用樹木とされるイチョウの力。
カボチャに年越しさせるな。p.138
これは地元でも言われていました。
年取りの晩にクリを食べると、くり廻しがよくなる。【青森】p.191
家族に伝えたらウケました。
クロマメの煮汁は咳、風邪、喉の痛みの内服液。p.197
このお汁、大好物です。
ゴマをたくさん食べると髪が赤くなる。【広島岡山】p.224
えっ!と家族に言われました。
常民にとって米は祭りの神供であった。p.226
コメは口に入るものではなくお供えするものだった…!
6月に蕎麦を食べると死ぬという巷間がひろまる。妊婦が食べるとそばかすの子が生まれる。蕎麦かき上手には良い嫁がくる。蕎麦は晴れの日の食べ物。蕎麦食べて風呂入ると中気になる。p.302-4
蕎麦伝説
大根の汁療法。ジフテリアに効く。【高知】p.316
万能薬、大根汁。
タバコは箸で植えよ。p.349
日本のタバコ文化
タマネギの皮を剥くとき、皮を一枚口にくわえると涙が出ない【広島】p.351
やってみよう。
梨は昼食え、桃は夜食え。芯を食べないために。【常陸】p.384
これは家族に伝えました。この二つの果実よく一緒にいただくので。
ナスのヘタでイボを擦るp.392
イボとりたい願いにナスが応える。
妊婦がネギを食べると腋臭の子が生まれる。【秋田長野奈良】p.421
ネギの香りの賛否
脚気にはリンゴの黒焼き【愛知大阪】p.523
ビタミン摂取。
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