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甘くみないで!危険なスマホ症候群


肩がこるだけ、と思っていたら「うつ病」「自律神経障害」の原因にも!


電車に乗って、前に座っている人達にふと目をやると、前に座っている人すべてがスマートフォンを使って真下を見ている。隣に目をやれば両隣もスマホ中。そして次の駅に着くまでの10数分間、誰一人として顔を上げなかった…。このような光景は珍しいことではなくなりましたね。賢く利用すれば便利なツールですが、使いすぎで眼精疲労やドライアイ、肩こり、手や腕のしびれなど、体の不調を訴える人が増えています。それらの症状は「スマホ症候群」と呼ばれ、話題を呼んでいます。


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「スマホ症候群」の名づけ親であるKIZUカイロプラクティックグループ代表院長の木津直昭さんは、「首や肩の障害で来院する人が急増している。今後ますます不調を訴える人が増えるだろう」と警鐘を鳴らします。

スマートフォンを長時間使用して下を見ていると、首が前傾し、首のカーブが失われてしまいます。その状態を「ストレートネック」と呼んでいます。この「ストレートネック」は、通常あるはずの首の生理的前彎(読み方:ぜんわん 前へのカーブ)がなくなり、まっすぐになってしまう状態をいいます。ひどくなると、なんと逆のカーブになってしまう場合もあるのです。


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特に気になるのが、女性の「ストレートネック」です。女性は首の筋力が弱い為、ストレートネックになっている確率がかなり高いのです。
パソコンや携帯を始めて数年から十数年経過し、徐々に悪化傾向が進んでいます。
日中もデスクワークで負担をかけている首に対して、電車の行き帰りや休憩時間に、スマホでダメ押しているようなものなのです。

症状は、肩こりや首痛はもちろんのこと、頭痛やめまい、腕のしびれや肩が上がらない三十肩症状(以前は50代中心であったが現在は30代にも多発)など、辛い症状に苦しんでいます。


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木津医師によれば、
「首の不調を訴えて来院される方は、ほとんどの人が  
ストレートネックになっています。首の細い女性はもちろん、デスクワークがメインの男性にも多いんですよ。

本来、首の骨は7つのパーツが積み上がってきれいに湾曲します。パソコンやスマホを触ることでうつむき、かつ猫背になると重い頭を支えるため、首が斜め前方に向けてまっすぐ固ってしまう。これがストレートネックです。
頭を前後左右に動かすには、7つある首の骨がすべて滑らかに動く必要がありますが、ストレートネックは上の数個程度しか動きません。結果、筋肉が固まり、首肩の緊張や神経の圧迫を引き起こすのです。

さらに、首の骨は背骨や骨盤とも連動しています。ストレートネックで首が固まり、猫背の状態が続くと、内臓が下垂して下痢、便秘になります。また、骨盤や背骨が歪めば、足に痺れが出ることも。首に異常があると、全身の不調につながりかねないのです」 と警告します。

さらに木津医師は、 「首が歪むと、脳へ流れる血管を圧迫することもあるんです。結果、頭痛、ふらつき、めまいなどを感じる方も。また、体が痛い、違和感がある、という症状が長く続けば精神状態にも影響し、『うつ状態』を引き起こすことも考えられます」と語ります。

東京脳神経センター理事長の松井孝嘉さんも「スマホ症候群」に警鐘を鳴らします。
「首は重要な神経や血管などが通り、脳と体をつなぐ命の要所。一方、頭の重さは約6キロ。男性用のボウリングの球ぐらいの重さ。下向きの姿勢は、まっすぐな状態と比べて首にかかる負担が約3倍。下向きのままで首の筋肉を酷使すると、自律神経の働きが阻害され、様々な症状が出てきます」と語り、具体的例を紹介してくれました。


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九州地方のマスコミに勤務する女性(44)は、2011年夏、首が痛くて動けなくなった。吐き気もあったため、総合病院へ行き、MRIも撮った。だが、異常はなかったという。女性は、10年前にも首が痛くなり、「椎間板症」と診断されたことがあった。ノートパソコンを持ち歩き、携帯電話を首と左肩に挟んで話しながらメモを取る。首や肩の痛みは「職業病」だと、あきらめていた。だが、2度目は吐き気や気分の落ち込みもひどく、不眠にも悩まされた。心療内科に行くと医者に「抑うつ状態」と言われ、薬を処方された。結局9カ月間休職。復職後は別の部署に異動させてもらった。
現在も整形外科と心療内科に通っているが、よくならない。


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松井医師は、「こういう人が爆発的に増えている。自律神経失調の症状は、眼科や耳鼻科、循環器科、消化器科などに関係する様々な症状が一人に起きます。どこの科に行っても治らないと悩み、そのうちうつ症状が出て、自殺に至るケースが目立つ」と言います。

さて、ストレートネックの確かめ方は、ものすごくカンタンです。壁に背をつけてまっすぐ立ってみるだけです。
壁に左右の両かかと、左右の両肩、後頭部の3つの部分がくっつき、あごを引いて真っ直ぐ前を見る。
その状態で苦しくない人は大丈夫。ストレートネックになっている人の多くは、後頭部が壁にくっつきにくくなっています。

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また木津先生が作成した危険度チェックも試してみましょう。
3つ以上当てはまったら要注意とされていますが、ほとんどの人は4つぐらい当てはまってしまうのではないでしょうか。
つらい症状がはっきり出ている人は今すぐ病院で診察してもらいましょう。
そこまでではない方も、予防を心がけた方がいいでしょう。

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写真は電車の中でよく見る姿勢です。
長い時間この姿勢でいると、ストレートネックを悪化させます。
予防法は右側の写真のように、画面を見る時に、持つ手の肘の角度は90度で、反対の腕を持つ手の肘の下に入れること。目線が上にあがり、「ストレートネック」の予防につながります。画面タッチ操作する時もこの画面の位置に気をつけましょう。

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少しのことですが、毎日続けると変わってきます。


ストレッチも試してみましょう。ストレートネックリセットエクササイズを紹介します。


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胸を開き肩甲骨をリセット
肩甲骨の間の筋肉を緊張させるように胸を反らしていく。
息を吐きながら、同時に首も後ろに反らす。痛みがある方は無理をしないように。5回が目安。

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腕を上げて猫背をリセット
デスクワークの途中、椅子に座ったまま、両手をあげて息を吐きながら腕も後ろに反らす。椅子の後ろにタオルなどをはさむと効果的。
5回が目安。

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腰・背中のリセット
就寝前にリセット!息を吐きながら、お腹を伸ばしていく。初めは肘が軽く曲がる程度で、徐々に肘が伸びるまで行う。無理はしないように。
5回が目安。


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