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記事一覧
思い出シュレッダー 1
瑞穂は、暗い夜道を1人歩いていた。
もう消えてなくなってしまいたい。
もう生きていたって仕方ない。
まさか聡志が突然私の元から離れていくなんて、想像もしていなかった。
忘れようとすればするほど、聡志の笑顔や優しい声が蘇ってくる。
何をしても、何を食べても、どんなに忙しくても、聡志の顔が頭に浮かぶ。
忘れたくない。
でも、忘れるべき
いや、忘れたくても忘れられない。
こんなに辛いのならいっそ…
お月様は何色?【シロクマ文芸部】
月の色って何色かな?
森の雑貨屋さんで、こぐまがクレヨンと画用紙を持って、お父さんぐまに尋ねました。
お父さんが、うーん、と考えていると、
近くにいたウサギが言いました。
白に決まってるじゃない!
あれはご先祖様がついたお餅が空に登って月になったんだから。
すると反対側でこの冬のマフラーを探していたリスが言いました。
違うわ、ピンク色よ。
昔木に引っかかっていたピンクの風船を、御先祖様が空
【創作大賞2024】水の王冠 第3話(終)
3 水の王冠
第2の課題を制覇したケロとケルンは、王様から最後の課題を出されました。
しかしそれは、今までとは比べ物にならないほど難しいものでした。
王様は、言いました。
お前たちには、今から自分がかぶる王冠を作ってもらう。
より立派な王冠を作ったものを、次の王とする。
雨粒が落ちてきて、地面に当たったときに王冠の形になる。
その瞬間に、いまから教える呪文をちょうど言い終わったならば、その雨
【創作大賞2024】ボクんちの笑うお面 第6話(終)
6 お面の正体は?
今日は家族で遊園地に行く日だ。
ボクはもう数週間前から、今日の日を楽しみにしていた。
お姉ちゃんは、そこのジェットコースターに乗るのが楽しみだと言っていたけど、僕はジェットコースターは怖いから乗りたくない。
ボクは空中ブランコが大好きだ。
風を切って、空に舞い上がる感じが好き。
空から釣り下がったブランコに乗っている気分だ。
お母さんが、おにぎりをたくさん作ってくれた。
【創作大賞2024】ボクんちの笑うお面 第5話
5 ボクだってモテたいんだ
「タカシくんって、足が速くて背が高いし、面白くて、ステキだよね。」
みほちゃんとかおりちゃんが、隣で話をしているのを、ボクは絵を描いていて、聞いていないふりをしながら、聞き耳を立てた。
「私、足が速い人がかっこいいと思うなあ。」
と、かおりちゃんが言った。
ボクは、がっかりした。
だってボクは、かけっこでも、マラソン大会でも、真ん中くらい。
けして速いとは言えない