子供の頃に読んで意味不明だったけど、大人になって再評価した2冊【Amazon広告あり】
昔々のその昔、図書館の端から端まで本を読んでやろうと思ったバカがいました。
理由は「タダだから」
子供の私が田舎の小さな図書館で出会ったのは、荒俣宏先生のキテレツな本(褒めてます)やSF作品達。
それ以外にも「印象には残ったが意味はわからない本」がたくさんありました。
初めてアルバイトしたお金で部屋を借りたのは、図書館の裏だったという私が、子供の頃読んで「なんだこれ?」と思い、大人になってからやっと再評価できた本を2冊ご紹介します。
あなたの読書のきっかけになったら幸いです。
※共感してもらえる方がいらっしゃると嬉しいのです。
1冊目「ブリスさん」
子供の頃に、最初読んだ時の感想は「ンだこれ?」
おじさんがうさぎ(キリンというか)を飼っている話。
既に指輪物語は読んでいたものの、館外持ち出し禁止だったため、触りだけしか読んでいない状態でブリスさんと出会った。
指輪物語とブリスさんが同一の作家である認識もなく、ザーッと読んでおしまい。
感想、意味不明。
ブリスさんを再評価
大人になって「トールキンが書いた絵本がある」と知って、読んだら既視感が。
「あー、あの図書館の端っこに刺さってたやつか」と思い出し、読んでみたら面白い。
私のような殺伐とした生活スタイルの人間から見ると、ブリスさんの気まぐれさや、かわいらしいキャラクター達が生き生きと躍動している世界は、とても魅力的に感じます。
ブリスさんは気ままというか、計画性があるのかないのか。
そこに理想的な自由を感じてしまうんですよ。
優しい世界を見たい方へ。
2冊目「ナイン・ストーリーズ」
ライ麦畑でつかまえるかどうかを検討する前に、九つの物語を先に読んでいた。
子供の頃に、最初読んだ時の感想は「ンだこれ?」
※本日2回目
特に「バナナフィッシュに最適の日」「バナナフィッシュにうってつけの日」ってなんだ??
意味がわからん。
そして、おい結末!
ナイン・ストーリーズの再評価
ライ麦畑を再度購入しなおした時に、うちの本棚にあったこれを読み直しました。
まともに意味を理解しようとすると、難解な話だと思うんです。
ただ、そういった難解さを素直に受け入れると、どうとでも解釈できる話だとわかりました。
この話の意味はいくらでも深く考えることはできるものの、そこで沸き起こった感情を簡潔に表そうとすると難しい。
人の持つ曖昧さや繊細さを突いてくる。
何度も読むごとに、別の観点で話の解釈ができる。
短い話ながら、読者の置かれている心境や、どこに着目するかによって彩りを変える、万華鏡のような作品だと思う。
サリンジャーさんの分析をされている方の文に、孤立の絶望が根底のテーマにあると書かれていました。
あまり絶望を私は感じないんですよ。
死に関してある種の希望を感じているような、そんな危うさがあるように思うのです。
サリンジャーさんの持つ文章の魅力や、独特の空気感を味わいたいならおすすめです。
この記事が参加している募集
いつもお読みいただき、ありがとうございます。 書くだけでなく読みたいので、コメント欄で記事名入れてもらうと見に行きます。