産まれる場所は選べない⑩【友達とは違ったもの】
そんな私も中学生になり、思春期ならではの「憧れ」からの悪いことは一通りやったと思う。なので、この時期は割愛しますが、アルコール依存への道はこの頃からはじまってたんじゃないかなと思う。最初に飲酒したのが中1。中2ぐらいからは、私=午後の紅茶かアサヒの銀。中3になると遊ぶ時はだいたい片手にビールを持ってたっけ。そんなガバガバは呑まないけどジュース代わりのようなものだった。
そうそう、そんな中学生最後のイベントといえば修学旅行。数人は荷物チェックをされるのがわかっていたので、女子はタバコを胸元に隠したり、酒は男子が誰かの荷物に隠し持ってたのをわけたりして班行動の時に呑んだり吸ったりした。今思えば中学生がそこまでして呑みたいか?吸いたいか?と失笑するほど恥ずかしい。
ろくに中学も行ってなかったのに、高校に3ヶ月だけ在籍していた。学校に着いたかと思ったら担任に、「酒臭いから生活指導の先生に見つかる前に保健室に行くか帰れ」と言われていたぐらい夜な夜な遊び歩いてはそこに必ずお酒のある生活をしていた。
だけどまだ15~16歳。毎日毎日そんなにお金があるわけでもなく、だからこの頃は、よく声をかけられては一緒に遊ぶという遊び方をしていた。凄く危ないが早い話ナンパである。街中で育ったので遊びはたくさんあった。
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だけど、運がよかったのか、山に置いて行かれるとか危険な目にはあった事がない。危なかったなと思ったのは、いい歳したヤクザの下っ端のようなオッサンに連れていかれた時ぐらい。全くもって嬉しくないのだけれど、昔はこういう人に好まれていて嫌だった記憶がある。老けていたというのもあるが、他の子より良くも悪くも大人びていたのだ。
こうやって遊ぶ時は自分たちの中でいくつかルールを決めていた。屁にもならないルールだけど、車で声をかけられても近くの駐車場に停めて徒歩で近くの飲食店やカラオケに行く、車に乗る場合はヤン車やセダンのある車種には乗らない、家飲みはしない、とか。それでも車に乗ってしまったらどこに連れて行かれてもおかしくないし薬をもられていたらわからないのだけれど。確かに、ヤラれそうになるという事はあったが、拒めばやめてくれる人ばかりだったからたまたまよかっただけで、今の時代こんな遊び方をしていなくても危険。説得力がないかもしれないが、薬を使っての犯罪が増えている今、男女問わず気をつけて欲しいなと思う。とくに自分の居場所がないと感じて、家出をしたり夜遊びをしている女の子は、自暴自棄になっていたり、まだ予測能力が未熟だったりして犯罪に巻き込まれやすいと思うから。
そしてこの時期「こいつならヤレる」と思われるタイプだったのだろう。私は毎回ツケが回ってくる役回りで、この頃から男性を冷めた目でしか見れなかったと思うし、自分の事も大切に思えていなかった。とはいえ全部逃げ切ってるのだけれど、今ならなんで私がそう見られていたのかよくわかる。
お酒が入ると「隙ができた様に見える子」っていると思いませんか?
例えばですが、物理的、会話、雰囲気などに距離感がなくなる、近くなる子。よく笑う子。
お酒が入ったらっていうギャップがさらに隙ができた様に見えるんだと思う。相手もお酒が入ってるしね。もちろん上記の女性が絶対なわけではありませんし、あわよくばと男性が思っていたとしたら、狙われやすいタイプかなと。そう自然となる子は勘違いされると腹がたちますが、私はお酒が入ると、わかっててこういう雰囲気を楽しむタイプだったのかもしれません。(なので、私はあまり色で接客するタイプではなかったけど、夜働いていた頃は違った意味で「酔ったふり」をお客さんによって使い分けることもありました)だから、なぜそう見られるかといえば、そう見せていたからもあると思う。かなりの時間が過ぎ、後にボーダー(境界性パーソナリティ障害)と診断されるのだけれど、この頃からその顔は見え隠れしていたのかもしれない。
私と友達が違ったのはココ。同じように夜中フラフラ遊び歩いていても、その理由が違うのだ。「暇だねー」「退屈だわ」「誰かに奢ってもらう?」こんな理由ではなく、ただただ寂しかったんだよね。一人になりたくなかったんだと思う。お酒が呑みたくて奢って貰う。は、間違ってないのだけれど、この遊び方をすると空が明るくなり始めた頃に帰れるからだ。私は暗くて静かな所が大嫌いだった。だから奢ってくれる男性がそんなノリなら、それに付き合っていたのだと思う。女の子だけで遊ぶと0時までだったり、せいぜい夜中の3時までだったりで、ちょうど私の嫌いな静まり返った時間帯に帰らないといけなくなる。漠然と感じる空虚感を埋めようとしていただけなのかもしれない。埋まるわけないのは十分わかっていたから、またそれに嫌悪感を抱くという負の連鎖。上手く説明できないのだけれど。
それが私と友達との違いだったし、今後の半生の前触れだったのかもしれない
息子を妊娠するまでバイトをしながらそんな毎日を過ごしていました。
つづく。