[理系による「アート」解説] "民藝運動"とポロックの共通点
"民藝運動"とは、アーティストのよる芸術ではなく、一般市民による一般市民ために創出された品に美を発見する試み、と柳宗悦が定義したと記憶しています。
一般市民から創出された芸術、ですが、見出し画像にあるような皿は、アーティストではなく、普通の職人さんによる一般消費者向けの品と推測されるが、そこに美を感じる。特に、渦の勢いが美しい。そこに美しく描こうという意図は全くない、が、逆にその邪念がないことがフォルムとして美しくたらしめている、といった意図です。
上記は、新しい美の発見、であり、そういう意味では、安土・桃山時代の茶人と同じ思想になります。
美しく描こうという意図は全くない、というところをもう少しかみ砕くと、無意識から生まれた美は、人間の意図から作り出される全てを超越しており、それこそ至高の美である、といった解釈を自身はしました。
で、ポロックです。アクションペイントの創始者ですが、ビデオでポロックがペイントしている動画を見た際、ポロックは完全に無意識・トランス状態に入っていないか!?、と思った次第です。といういことは、ポロックが表現したかったのは、人間の意図から作り出される絵画を超越する、ではなかったのかなと。
というわけで、ポロックの作品を、日本民藝館に展示されている作品と同じような感性で見ると、大変興味深くなりました。