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[理系による「ファッション」考察] "Nemeth"と"Honda"と"Shinichiro Arakawa"、と"LOUIS VUITTON"

この表題でピンと来られた方は、90年代にかなりな洋服狂だった方に違いありませんが、なんのこっちゃ?、と思われる方がほとんどだと思いますので、モロモロ説明していきます。

この記事のそもそものきっかけは、1~2年前に妻とふらっと立ち寄った表参道のGYREのトレーディングミュージアムで、"Nemeth"、の服を見かけて、夫婦二人で、"懐かし!"、と思わず声が出てしまったことです。

で、"Nemeth"、ですが、服のブランドです。

このブランドですが、90年代に一大ブームを巻き起こした洋服です。どのくらい流行っていたかというと、当時の大阪のアメリカ村・三角公園周辺に行くと、下のパンツをはいていない人を見ないことはない(必ず見る)!、ぐらいの着用率でした。

で、どのような文脈でこれを履くかというと、ファッションとしての"パンク"です。クロニクルとしは、その当時、"パンク"、がものすごく流行っており、Nemethのパンツにドクターマーチンのブーツかジョージコックスのラバーソールを履く、が定番で、もう少し意識の高い方は"MILKBOY"、本気の方は"ヴィヴィアン・ウエストウッド"を着用していました。

自身も"パンク"にかぶれて、"ビューティビースト"というブランドのパンツとジョージコックスのラバーソールは履きましたが、ここまでは、洋服狂のあるある話です。

次のきっかけは、最近歩いていた時に、下の羽が特徴的な"Honda"の看板たまたまを見つけたことです。

HONDAの翼をあしらったカッコよすぎる看板

この"Honda"の看板のデザイン自体は非常にカッコよくて良いのですが、
"Honda"と"Nemeth"がどう繋がるんだ!?、
の疑問が浮かぶと思いますが、それをつなぐのが"Shinichiro Arakawa"になります。

この"Shinichiro Arakawa"ですが、これも服のブランドです(荒川眞一郎さんがデザイナーです)。

今はライダースの服を作っておられるようですが、当時はかなり尖った服を作っていたのです。具体的には、下のような写真の服をコレクションでプレゼンしており、どう裁断したらこうなるんだ?、な非常に前衛的な服でした。

路面店も展開しており、訪れると、一枚の布からスーツを構成するオブジェが展示されており、メッセージとしては、"日本の着物は平面による服であり、そんな背景を持つ日本人が平面から立体を作り出す服を再認識してみる"、と捉えましたが、なんとも服そのものを改めて考えさせられるメッセージで、ゴリゴリ理系が好みそうなブランドであることは、なんとなく伝わると思います。

当然、"Shinichiro Arakawa"の服を着てみたかったのですが、学生の自分にそんなお金があるはずはなく、Tシャツぐらいなら…、な自分向けに展開していたのが上の"Honda"の翼とロゴをプリントしたTシャツでした。

それまで、企業のロゴがファッションになる、という概念すらなかった自分にとって、そのTシャツはものすごく衝撃的だった記憶があります(かつ、ものすごくカッコよかった)。

で、
"Honda"と"Shinichiro Arakawa"の関係は分かったが、"Nemeth"は?
の疑問に対する回答ですが、これは結構マニアックな話なのですが、実は"Shinichiro Arakawa"のお師匠さんが、"Nemeth"のデザイナーのクリストファー・ネメスなのです!

当時、"Shinichiro Arakawa"がまだそれほど知名度がないときに、雑誌で新人デザイナーとして荒川眞一郎さんが紹介されおり、そこでお師匠さんのクリストファー・ネメスに関して少し言及されておりました。

言われれば、あの特徴的な裁断って"Nemeth"と共通しているところはあるな~、と分かるのですが、言われないと分からない…。

というわけで、
久しぶりの"Nemeth"で懐かし~、
となったのと、
久しぶりに"Honad"のロゴを発見し、このロゴといえば"Shinichiro Arakawa"で懐かし~、
となり、
そういえば、お師匠さんの"Nemeth"に関して言及してある雑誌にて、荒川眞一郎さんの出で立ちが、このHondaのロゴがあしらってある真っ赤なキャップに白Tでジーンズというカッコで、とってもカッコよかったな~、
な記憶を思い出した、が今回の記事の弱いオチになります。

最後に、2015年秋冬のルイ・ヴィトンのコレクションがクリストファー・ネメスをオマージュしたことを今回の記事でモロモロ調べているときに知り、ちょっとびっくりしたのですが、キム・ジョーンズ(ほぼ同い年)も当時の"パンク"の大流行に感化されたんだろうな~、と当時の状況を共有できる方がルイ・ヴィトンのディレクターをやるようになり、なんだかうれしくなりました~、
で終わろうと思います。


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