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[OldCityBoy的「映画」考察] ジャイアンツ(1956) ➡ジェームス・ディーンがこの撮影直後に亡くなった理由がなんとなく分かる映画

アメリカ合衆国の歴史をドラマチックにたどる大河ドラマな映画で、悪くない映画ですが、とにかく長い…(約3時間半)。

そんな長い映画でスパイスになるのがジェームス・ディーンの演技になるのですが、それを観ていると、この撮影直後に亡くなった理由がなんとなく分かったので、それを解説しますね。

この映画自体はアメリカの大河ドラマなので、主人公の20代前半から老人になるまでを辿ります。よって、役者としても若者から年寄りまで演じる必要があります。

そんな条件下でのジェームス・ディーンですが、若者を演じる分には"エデンの東"のまま、非モテ・オタク気質・コミュ障男の気持ち悪さがダイレクトに伝わって非常に良いです!

が、大人から老人にかけての演技が違和感ありすぎる…。

具体的に、大人・老人を演じれておらず、上の若者のまま単に外見を変えただけの状態になっています。そして、外見も変なグラサン姿になっており、違和感しかない…。

ここから考えるに、ジェームス・ディーンは、あの気持ち悪い若者を演じるにあたって、あれは演技ではなく、自身の素の部分をそのまま増幅した部分が大きいのではないか、と思っています。なぜなら、その演じ方があまりに自然で、演技とはちょっと思えない…。

よって、一見天才役者に見えるのですが、実は役ではなく素の部分が大きいため、若者役なら良いのですが、大人・老人がうまく演じられず、上のような違和感が出たのではないかと思われます。

で、ジェームス・ディーン自身も、もちろんそのことは認識していたはずで、自身の役者としての実力も客観視できていたと思われるのですが、周りが"天才!"と騒ぎ立て、次回作への期待も異常に大きい状況下で、自身の役者としての本当の実力が露呈してしまうプレッシャーに耐えられず、ストレス解消という名の自殺願望から来る危険な行為を繰り返しており、結果、亡くなってしまったのではないかと思います。

個人的には、ジェームス・ディーン級であれば、役者としての厚み・テクニックは歳を取れば自然に身につくはずで、焦らずじっくり行けば良いと思うのですが、周りの熱狂と自身の理想像がそれを許さなかったのでしょうね…。

ということで、努力なしで成しえてしまう"才能"なるものを持ち過ぎるのもなかなか難しいものだな~、と思った映画でした。






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