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オスカーワイルド ドリアン・グレイの画像(岩波文庫)を読んで

お久しぶりです。
今回もネタバレ回避の味覚や嗅覚に例えて感想を述べる、抽象的感覚派読書感想文を書いてまいります。

今回は久々に再読いたしました、西村弘次さん訳の「ドリアン・グレイの画像」について書いてまいります。

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有名な福田恆存さん訳の「ドリアン・グレイの肖像」は↓↓

お好きな方でご一読いただければと思います。

唯美主義の代表格、オスカーワイルドの唯一の長編小説になります。
装飾的な表現や、彼の格言が至る所に散りばめられ、唯美主義、悪魔主義的な作品が好きな方には必読の書になります。

大まかなあらすじは、ドリアン・グレイという絶世の美男をモデルとした肖像画を巡る物語です。
ある日、1人の画家にドリアンは自身の肖像画を描いてもらいます。
描かれた彼の絵は何にも変えられないほどに美しいが、ドリアン自身が悪行や放蕩にふける度に肖像画が徐々に醜くなっていくのです。
奇妙に歪む自身の美しい顔の絵に耐えきれず、ドリアンは自身の絵をナイフで切り裂くと……。

この作品を喩えるならば、色とりどりのパンやビスケットが並ぶアフタヌーンティーのような小説です。
エスカルゴ味の緑のクロワッサン、桃色の鮭の身を練り込んだビスケット、ラズベリーやブルーベリーの入った紅茶、金華豚ハムをふんだんに使用したペストリー。
英国を舞台とし、青春を崇拝しながら官能的な思考を繰り広げ、どこか東洋風な匂いも随所に感じられます。
思考の芸術として流石のクオリティで様々な味わいを堪能できます。

あまり読書慣れしていない方にはオススメいたしませんが、読書が趣味でまだ読んだことない方には是非読んでいただきたいです。

これで今回の読書感想文を終えます。以下私の作品についても載せておきますので、読んでみてください。

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