ストレスと解放① ~露まろカスタードフラン(ローソン)
今日もイライラした。
本業の仕事中に、副業で執筆した記事が無事納品されたと連絡あり。継続案件の話ももらった。
「やった~」と喜んでいたのもつかの間。電話がいきなりなりだした。
二人体制なのに同時に3回線鳴り始めた。出れるわけないだろ。
電話の主はなぜか少し怒っている。
まったくの謎だ。
人間の行動とは面白いもので、電話が鳴るときは同時に2回線以上鳴ることが多い。所詮人の行動パターンなど,たかが知れているのだろう。
休日に「行動経済学」の本でも読んでみるか。
電話攻撃が終わると、次は終業前の報告業務が始まる。
全員が、全店舗の数字を一覧できるところがあるのに、なぜか数字を引っ張りだしてきて、フォーマットに打ち込む。いわゆるコピペである。
なんの意味があるというのか。
仕事を終えて車に乗り込む。朝と変わらぬエンジン音を耳にしながら思うのだ。
「なにか喰いたい」と。
車を走らせながら考える。どこに寄ろうかな。
22時も過ぎているし、ここはコンビニか。
自宅近くのローソンに寄ろう。
20分ほどで到着。コンビニの前には塾帰りであろう中学生2人がパンを食べていた。なにやら楽しそうだ。
店内に入ると、雑誌コーナー、イートインコーナーを通り過ぎる。
イートインでは、女性2人がチルドドリンクを握りしめて深刻な面持ちで話しこんでいた。
冷蔵庫、スナック棚を経てスイーツコーナーへ到着。
隣り合うアイスコーナーにも目を奪われる。
どれにするか、、、
直観で選んだ。これだ。
「露まろカスタードフラン」(270円込)
Uchi Cafeシリーズらしい。
発売日は、2021年6月8日とある。
まだ新顔だ。
税込270円となかなか強気の値段設定である。
273キロカロリー。
レジに持っていき、paypayでと伝える。
「ペイペイデスネ」
こなれた感が全く違う2つの言語を駆使するレジの外国人女性に少しホッコリする。
レシートの受け取りを断り、出口に向かう。
「ペイペイ!」
タイムラグがあり、スマホから大きな声が響きわたる。
イートインコーナーの女性2人の視線が私に向けらた。
私が「ペイペイ!」といったと思ったのだろうか。
深刻な表情が少し和らいでいる気がする。少しでも、お役に立てたらよい。
車に向かってエンジンを始動。
ささ、食べよう。
手頃な大きさと、ベイクド感マシマシなビジュアルが食欲をそそる。
公式ホームページでは湯煎焼きしたと記されていた。
「バターと卵黄を加えたたまご感のあるカスタード生地を湯煎焼きしました。まろやかな味わいと余韻が楽しめます。下には香ばしいパイ生地を重ねました。」(公式ホームページより)
ズシッとした重さはない。片手で手軽に食べれそうだ。
いざ、開封。
香ばしい香りが社内に広がる。よく焼かれたパイ生地だ。
長方形のボディを90°変換する。運転しながらの食事になるので。
出発前に1口食べてみる。デザートでおなじみの卵と甘みの二重奏が「フッと」入ってくる。パイ生地の香ばしさと抑えた甘さが組み合わさって美味い。
いわゆる鉄板的な美味さである。
丁寧に濾して滑らかというよりは、少しだけ歯触りを残している。
どこか懐かしいが、自分では作れない食感である。
幾度となく試作を繰り返したのだろうか。それは、開発者のこだわりか、上司のダメ出しか。プレゼンテーション前日は、眠れなかっただろうか。開発者の思いを勝手に想像し少し共感。
シフトレバーをDレンジに入れて自宅に向かう。約10分。
右手でハンドル、左手にスイーツ。大きさは、運転にはまったく支障がない。まさか、そこまで計算されているわけではあるまいに。
2口、3口と食べ進めるうちにどんどんストレスが解放されていく。
赤信号で止まると、大きめに口に運べる。普段は「チッ!赤だ」が今日は「車が止まったラッキー」に変わる。開発者も想定していない副産物であろう。
5口目で食べ終わった。ちょうど自宅に到着。駐車場に入れてエンジンを切る。
私を蝕んだストレスも無くなったようだ。
電話口で怒っていた人も、なにかイヤなことがあったのかもしれない。
ま、許してやるか。
レジの外国人女性は、朝まで勤務するのかな。
スイーツの開発担当者は、新作スイーツを開発しているんだろうか。
みんな大変だ。
明日からもサラリーマンがんばろう。
ところで、露まろってなんだろう?
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