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大人の嗜好品

大人っぽい楽しみのアイデアを彷彿させる本を幾つか読んで、そこからいろいろ学ぼうと自主的に取り組みをしてみた記録。

🍸ヨーロッパ退屈日記

伊丹十三の本。退屈というタイトルが良い。
『実用記事満載』!の婦人雑誌と同じく、使える知識満載の本であるところが売りだと著者本人が語っている。実際、伊丹本人の目線での文章から読者は知識以上の事を学べる。
そう見るか!という部分が多々あり、外国人の外見や服装チェック描写の言葉の使い方や美しさが素晴らしい。
イギリス紳士のようにウィットに富む話し方をする人だったのかも、と想像させられた。
真摯な文章は魅力的で、佇まいも自分のスタイルを貫くことが大切だと思わされた。
友人にカツを振る舞うところが好き。

知の部分もだいぶ癖がある。
1人有意義に旅をしないと使わないような知識が多い。ただし当てはまる、その場合は大いに役立つ可能性がある知識しかなくてとても楽しかった。
例えばカクテルは飲んでみたいメニューと、その名前の背景を知ることができた。

GinBuckはコーリングラスに隠し包丁をしたレモンを入れ、レモン果汁をお酒の中にお好みの量で搾り出すカクテル。ジンのジンジャエールで割りの中でマドラーで押すことで搾れるもの。
PlantersPunchは所謂カクテルフラッペ。砕いた氷とレモン・オレンジ果汁、ラムやシロップをシェイクしたもの。

飲みたくなった。

お酒といえば先日、ランドローバーが開催した新モデル発表イベントでビターズの勉強会があり、参加した。

ビターズはカクテルに垂らし、さらにお酒を奥深くさせる効果を持つ。
スパイシーなものから香りを持つもの、癖があって数滴でも、お酒の味をまるっと変えてしまうものもある。

今回はJapanese bittersが主催の勉強会だったため、日本らしいビターズも楽しめた。例えば桜、醤油、檜の香りなど。ベースはジンやハイボールでシンプルなものにすることで香りがより楽しめた。

🩷うっとりチョコレート

何人かの作家によるエッセーの詰め合わせでチョコレートの箱のような本だった。好きなものを幾つか選ぶ。

まずは江國香織さんの「よその女」。
江國さんと思われる主人公は、他人行儀な顔や行動をする夫に嫉妬したり優越感を覚えたりしていた。
心を許した人だからこそ、だらし無い姿を見せてくれるが、緊張感があった頃のように気持ちを伝えるのは大事だなと思った。
その役目にチョコはピッタリかも。

次はわかりやすいタイトルで「チョコレート」。宮下奈都さんの作品で、ほっこりしてちょっとキュンとする話。
ぽやっとしたの夫の血を息子たちも継いでいるようで、可愛らしい家族だなぁと思った。

「三つの嗜好品」の森茉莉さんはオーラがすごい。
タバコやお酒は嗜みきれていないが、その代わりに大人でも甘いチョコをご褒美としていると言う。
しかし森茉莉さんについて本作を読むと分かるが、充分にタバコやお酒も楽しめている。
ちょっと感覚がズレているかも。
でも父親があの森鴎外では仕方ないのかもしれない。作中でも彼女視点で父の描写があるが、かっこいい上、恥ずかしげもなく、父への愛を書き込んでいる。
好きなものを好きと言えるところが素敵なところでとても好き。

🍫チョコレート辞典

支倉常長が日本に初めてチョコレートを持ち帰った人と知った。
支倉焼も好きだから、チョコにも関わりがあると知って、すっかり彼は私の中で日本のお菓子の父。

日本ではチョコレートを育てられないから食べるには輸入するしかないと思っていたら、日本産カカオを開発中だという。
その名も、温泉カカオ。地熱発電のように、温泉のエネルギーで熱帯作物を育成する。
これが上手く仕組み化されたら、完全に日本産カカオが食べられる。夢が広がるなぁ。

紹介されていた作品で未チェックなものが結構あって早目にチェックしたいなぁと思った。
よって下記リスト化!


・チョコレート語訳 みだれ髪
・チョコレートアンダーグラウンド

映画
・chocolat
→主演がジョニーデップで、チャーリーとチョコレート工場と同じなので観ておきたい。
・チョコレートドーナツ
・幸せのショコラ

チョコレートに纏わる映画といえば、ETやフォレスト・ガンプでも印象的なアイテムとして登場していたのを思い出した。どちらも何回も観たい作品。

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