【読了 2024 No.26】久保田競 田中宏暁著『仕事に効く、脳を鍛える、スロージョキング』(角川SSC新書)読了
著者の一人、田中宏暁氏は福岡大学で肥満と運動不足の人のジョギング指導をしている。彼の患者さんのなかには、62歳の女性で、それまで運動経験がなく、「肥満ばかりか階段を踏み外して骨折して杖を手放せない状態」だったにも関わらず、ステップによる踏み台昇降と固定式自転車運動での減量から始めて、約一年(減量に6ヶ月+スロージョキング始めて6ヶ月)でフルマラソンが完走できるまでいった方もいたそうだ。
その方が、「人生は変えられるんですね」とおっしゃっていたのが印象的だった。
それにしても、走ることが脳にいいとはいうけど、一方で睡眠時間不足は脳に悪いという。
けどさ。そもそも毎日1時間走る時間を作って、かつ7時間以上の睡眠時間を確保するなんて、一般の現代人にできるのか?って、悪態ついてやりたい気持ちになった。
ただ、スローに走ることの効能が、「脳にも効く」と知っただけでも、意味があるなと思った。
(有酸素運動が脳の海馬にいいってことは、前から知ってたけど、それ以外の箇所は初めて知った。ただ、あまりにも専門用語が多くて、全部覚えるのはちとパスしたいレベルだった。)
私が30代で、いわゆる“サブ4!!ランナー”だった2000年頃から、長距離ランナーになるためのトレーニングとしては、LSD(Long Slow Distance)、つまり、ゆっくりペースで長距離を走り続けることがベストとされていた。
実際、私はLSDと筋トレだけでサブ4!!(フルマラソン42.195㎞を4時間以内に走ること。市民ランナーの間では一種の勲章🎖️なのだ)になった。
だが、このLSDをやっていると、男性ランナーに追い抜かれまくる😔
2000年のときは私も30代半ばで「若い女」だったこともあり、追い抜いた男性ランナーが優越感たっぷりに話しかけて来ることも多かった。
そんなときに、
「ゆっくり走ることの方が効果が高いのだ。LSDって言葉を知らねぇんだろ。そんなおめぇはモグリだよ」って心の中で悪態つきながら、相手が諦めるまで無視し続けた。
知識は、忍耐力の源泉でもあるのだ。
とはいえ、追い抜かれるだけでも、ランナーである以上は悔しい。
こんなときに、「ゆっくり走るLSDの方が長距離ランナーとして成長できるのだ」って知識に加えて、この本で得た「ゆっくり走る方が脳にはいいのだ。医学的にも脳科学的にも証明されている」という知識が加わったので、更に我慢し易くなるだろう。
昨日(7月20日(土))私はこの暑い中、9㎞目指して走っていた。復路に入った所で、私をスタスタと追い抜いた若い男性ランナーがいた。
当然だが、その後も私の視界に入っている。
悔しいが、二つの知識を動員して、
「早よ視界から消えろ!」って思いながら走っていたら、突然視界から消えた。
「えっ😲」と驚いて走り続けてみたら、
そのランナーが視界から唐突に消えた辺りに、コンビニがあった。
こんなもんなんだよね。
スピード出してゆっくりランナーを走り抜き去る男性ランナーなんて。
そのスピード、長時間持つわけないのだ。
追い抜いていい気分になって、クーラーの効いたコンビニでアイスでも食べる。
それでいいんだろうな。
いい気分だろうな。
一方で、こっちはやりきれなくなる。
そのとき私は9㎞の復路5㎞辺り。
まだ、あと4㎞も暑い中走り続けなければならない。
心が折れそうになった。
でも、そんなときこそ、「LSD の方が長距離ランナーのトレーニングとしては効果があるんだ」、「スローなジョギングの方が脳には効くんだ」って、知識を呪文のように唱えて走り続けるのだ。
知識は、忍耐力の源泉でもあるのだ。
知識が増えれば、忍耐力は増す。
知識を増やすためにも、読書は必要なのだ。
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