【2024読了.No43】中村健一著『策略ブラック授業技術-今さら聞けない基礎・基本-』(明治図書)読了。
【読了.No42】の感想文で、私は「著者は一度も学級崩壊を起こしたことが無いし、それどころか他者が(崩壊させたクラスの)立て直しに呼ばれるカリスマである。一方で毎年学級崩壊を起こすベテラン女教師もいるそうだ。この個人の違いというものこそ、知りたかった」と書いたが、その見事なanswer だった。
学級崩壊(クラスの荒れ)につながる雰囲気は、著者によると大きく分けて三つ。
①どんよりと重たい空気
②ザワザワと落ち着かない空気
そして、
③「空白の時間」(生徒がどうしていいか分からない時間)
①~③には、全て対策があった。特に①対策が詳しい。どんよりと重たい空気を温かくする対策は、音を出すこと。お笑いの世界の「前説」の技術が使える。次の手順で、会場の空気を温めている。 拍手 → 声出し → 笑い…である。
詳細は、是非この本を買っていただきたい。この本はKindleの電子書籍になっているから。
なお、「授業は、「フリ」「オチ」「フォロー」で、成り立っている。」のだそうだ。
● 「フリ」…「音読しなさい」「作文を書きなさい」など、教師の指導
●「オチ」…がんばって取り組む子ども
●「フォロー」…子どものがんばりに対する、教師の対応や評価
著者は、フォローをしない教師が多いと嘆いている。
著者は小学校教諭で、私は大学入試のための予備校の講師。
フィールドがとても違う。だから、各テクニックはそのままでは使えない。でも、「フォロー」の重要性と拍手の効用は、復帰後、早速授業に、こんな風に(←内容は企業秘密だが)活かしてみようと、すぐさま実像が頭に描かれた。
それ程分かりやすく、有用な本だった。
人に教える仕事をしている人には、是非読んで貰いたい本である。