【2024読了.No41】吉井妙子著『天才をつくる親のルール-トップアスリート誕生秘話-』(文春e-book)読了。
きちんとした取材に基づいた本なので、当事者の生の声に触れることができた。有意義な読書体験ができた。
この本に出てくるスポーツの「天才」たちの親御さんたち。この方々の献身ぶりには頭が下がる。
だが、この方々の「献身」は、単なる献身で終わっていない。
先ずは取材された生の声を聞いてみよう。
卓球場付きの自宅を建築した、卓球の石川佳純選手のお父様のお言葉。決して佳純選手のためだけに造ったというわけではないそうだ。「僕たち夫婦の趣味は卓球。そんな家を作っておけば老後が楽しめるし、卓球好きの友人が気軽に遊びに来られるんじゃないかって」
プロゴルファーの永井花奈選手の両親のお言葉。
「ゴルフで活躍してもらいたいのはもちろんですが、それ以上にゴルフを通して子育てを楽しませてもらっているようなもの。私たちも花奈に成長させてもらっています。子育ては親と子の〝共育〟だと思います」
阪神タイガースの藤浪晋太郎選手のお父様は、元高校球児。息子さんの入った少年野球チームのコーチを志願した。そのお父様のお言葉。
「コーチになってみると、息子と同じように野球が好きな子供たちがたくさんいて、そっちの指導の方が楽しくなった。教える喜びを、息子にプレゼントしてもらいました」
この方々は単にお子さんのサポートを献身的にやっただけで終わっていない。
サポートをする中で、ご本人たちも新たな喜びを見出しているのである。
一言で言えば、お子さんのスポーツが、親御さん自身の人生を豊かにしていたということなのだ。
私は子供がいないが、先代デカポメラニアンと今の犬のフリスビー競技を通して、様々な工夫をしたし、色んな人に出会えた。
犬達のおかげで人生を豊かにして貰えたわけである。
犬をしつけて練習させるのは、なかなか苦難の道だった。でも、それだけに得るものは大きかった。