mizuno(冬木柊)

小説書きです

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最近の記事

女子大生純文学作家は異世界に転生したくない!? 第三話

 わたしは音楽部屋に戻り、コーヒーを飲もうとするとコーヒーが冷めていた。わたしがそれを飲もうとすると、メイサが替えを持って来ると言った。 「お嬢様はご機嫌な時は紅茶ですよね?」 「そうなの?、・・・紅茶で」 「はい、すぐお持ちします」  わたしって、ご機嫌な時って紅茶なの?、でもひとり暮らしを始めてからは安いティーパックの紅茶ばかりで、、というより、わたし今ご機嫌なの?  メイサが紅茶を持って戻ってきた。  ウェッジウッドっぽい苺が描かれたかわいいティーポットでかわいい

    • 女子大生純文学作家は異世界に転生したくない!? 第二話

       わたしは〝異世界〟の自分の邸の自分の部屋のベッドで眼を覚ました。  ここを過ぎて悲しみの都(まち)。  夢より醒め、わたしはこの数行を思い返し、その醜さといやらしさに、消えたい思いをする。やれやれ、大仰極まったり。  わたしが窓の外を眺めた。朝の優しい陽差しの中、優しい緑の庭で猫と戯れているメイサが見えた。  それは一枚の絵のような光景だった。きれいでかわいい人。    メイサと目が合った。  メイサははにかんだ。膝の上の猫が嬉しそうだった。   * *  わた

      • 女子大生純文学作家は異世界に転生したくない!? 第一話

        あらすじ 高橋ひまりは、十八歳の時、自らの青春を小説にし、賞を受賞。大学にも合格し、春に東京に上京。学生生活と文壇デビューを期待した。 しかし、突然発生したCOVID-19。世界はパニックに陥り、ひまりは 大学二年の春からずっとリモート授業となり、味気ないぼっちの毎日。ロマンスも皆無だった。 ひまりの心は自然と文学に向き、小説を書いた。それを自分に賞を与えた出版社に持ち込んだ。そしてこう言われる。 「純文学は売れない、マッチングアプリでたくさんの人とデートして体験記を書く!

        • さいごにお別れを言う女

          「さいごにお別れを言う女」 著者:冬木柊 ゲーム小説サービス『TapNovel』 https://tapnovel.com/stories/20215

          冬の恋人たち

          マルナとモデキュウルは、すべてから逃れるため、生まれたところを遠く離れ、海を小さな舟で漂った。 過酷に運命から逃れるため、マルナとモデキュウルは太陽から南へ、南へと移動した。 元漁師のモデキュウルは魚を手づかみで獲り、持って来た短剣で魚を捌き、それを二人で食料とした。水が必要な時は陸に上がり川の水を飲んだ。 二人は陸に住み、家を作らないのか? 二人はなにかから逃げるように、早く早く、南へと移動した。 そして、二人は見た。 空から綿花がゆっくりと降りてくるさまを。