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映画『四月になれば彼女は』を観た話。#映画感想文

「大人の恋」ってどんなものかね。
自分はまだあまり想像がつかない所がある。

気持ちとか、仕事での経験とか、考え方とか、自分の中で完結できることばかり大人びたものになっていって、肝心のコミュニケーションが、人との向き合い方がなんだか今ひとつ成長できてない。そのことが、自分にとってはウィークポイントになっている気がする。

女性と真っ向から向き合って心を通わせていった。そういう経験だけがなんだか少ないような気がして。いつまで経っても子供じみた恋愛ばかりしてる自分を、たまに恨みたくなることがある。

でもいつかはそういう記憶すら薄れて
そんなこともあったな、と笑う日が来るのか。
まだまだそんな未来は自分には見えていない。

映画『四月になれば彼女は』。作家・映画プロデューサーである川村元気氏のベストセラーとして知られる同作を実写映画化。佐藤健・長澤まさみ・森七菜をメインキャストに迎え、今年三月に公開された。

あらすじ

「あのときのわたしには、自分よりも大切なひとがいた。それが、永遠に続くものだと信じていた」四月。精神科医の藤代俊(佐藤健)のもとに、かつての恋人・伊予田春(森七菜)から手紙が届く。

“天空の鏡”と呼ばれるウユニ塩湖からの手紙には、十年前の初恋の記憶が書かれていた。ウユニ、プラハ、アイスランド。その後も世界各地から届く、春の手紙。

時を同じくして藤代は、婚約者の坂本弥生(長澤まさみ)と結婚の準備を進めていた。けれども弥生は突然、姿を消した。「愛を終わらせない方法、それは何でしょう」?
その謎掛けだけを残して――

春はなぜ手紙を書いてきたのか?弥生はどこへ消えたのか?ふたつの謎は、やがて繋がっていく。 「あれほど永遠だと思っていた愛や恋も、なぜ消えていってしまうのだろう」現在と過去、日本と海外が交錯しながら、愛する人をさがし求める“四月”が始まる。

春ちゃんと俊の出会いは大学の写真サークルだったんですね。
この時点でももう瑞野氏は芸大生だった頃の自分を重ねてすごく入り込んでしまう。

好きなものとか作り出すものとか、感性が近い人ってすごく急激に惹かれてしまう、そのリアルな感覚が思い出されてすげー胸が踊りました。

でも春ちゃんとのキラキラした「刹那的な恋」は潮が引くように終わり、弥生と過ごす現在に。でも、なんだか平穏で何事もない日々だけど、そこに確かにあったはずの愛が薄味になっていくというか、日常の中に埋もれていたような感覚をスクリーンからは覚えた。

その愛を取り戻す方法もわからず
弥生は俊から一度遠ざかってしまう。

普通ならここで「弥生との愛を取り戻すための長い旅」とかに出たりしがちだが、大仰な旅に出るわけでもなく、頭を丸めて悟りを開くわけでもなく、自分の過去と向き合いながら弥生との愛を再確認していった。

弥生の知り合いに話を聞いたり、昔の記憶を辿って一つ一つ思い出したり。そんなことをしながら、弥生がいない季節が過ぎていく。その姿がとても私は好きだった。結局、自分の人生の中で失ったものは自分の人生を鑑みて取り戻すしかない。そのことを体現するような主人公だったと思う。

あと個人的には主題歌もものすごく好きだった。藤井風の「満ちてゆく」。初めて藤井氏の曲でどハマりしたかも。映画館から帰って速攻でエンドレスリピートしてます。

なかなか見ることがないこういった純恋愛映画。だが、たまに見るからこそ得る収穫というか新しい創造の種があるなぁとしみじみ思う。

「愛を終わらせない方法」。自分なら、なんて答えるかねぇ。



おしまい。



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