もう、悔しくて悔しくて、悔しくて。
例えば、ここに1本ドラマのDVDがあるとしよう。
ちょうど昨日第二話が放送された『silent(フジテレビ系)』とか、こないだ記事にした『あなたのブツが、ここに』とか。脚本が実に巧妙で、演出もスパイスが効いてて、尚且つ自分がやってみたい・書いてみたいと思っていた仕掛けをふんだんに盛り込んでるドラマが、たまにある。
私はもう、そういうのを見ると
本当に歯がゆくなる。悔しい。
『silent』なんて本当に悔しかった~。主人公たちがスピッツの曲きっかけで出会ったのとか、耳が聞こえなくなって自暴自棄になった彼とか、高校時代の友達同士で作る三角関係とか、もう震える展開にいったい何回気絶しそうになったか。王道青春ドラマのあれとこれとそれをうまいことリミックスさせてこんなに上手にオリジナルの世界観を出せるんだ、と思い、ただただ後半は悔しさに奥歯を噛み締めてた。
こんな作品を俺が書きたかった。書いて華々しくシナリオライターデビューしたかった、とテレビを見ながら奥歯をグーっと力いっぱい食いしばって地団駄を踏んでしまう。もう理性じゃどうにもならないぐらい、こういう時の私は悔しさで溢れている。
そういうこと、無いですか?嫉妬で頭がおかしくなりそうなぐらい、悔しい時って。ほら、ちょっと読者の皆さんも今一瞬だけ時間を貰って。正直に、胸に手を当てて。3つ数えますからちょっと考えてください?
3。
2。
1。
はい。
めちゃくちゃあるでしょ。
少なくとも1回もないなんてこたぁ無いよ。
絶対どこかで悔しい思いしてるって。
ましてにっちもさっちも芽が出ない作家以下の人間にとって、ポッと出てくる傑作ドラマなんかはもう気絶しそうなぐらいに嫉妬する。こんな作品俺でも書けるわぁ!とか言いながら、全然ペンが進んでいない自分を殴りたくなるし、自分の努力不足を棚に上げて嫉妬してるのが偉そう過ぎてそんな自分が嫌になったりもする。
シナリオ書く勉強するためにドラマ見てるはずなのに、そのドラマでモチベーション失ってるって最高に矛盾してますよ本当に。
みなさんも気が狂いそうなぐらい嫉妬して悔しい時ってあるでしょう?もし無いって言う人が居たら異論は認めますからぜひコメントをください。あるっていう人もコメントください。
だから、そういうどうしようもないほど悔しくて打ちのめされたとき、私は大体一人でランニングに行く。半パン・Tシャツ・ユニクロの着圧タイツを着て、鍵だけ持って部屋を飛び出す。人気のない寒い路上を、一人で息を切らして走っていると、心が自然と落ち着いてくる。
だんだん心拍数が上がって来ると、自分のやる気もおのずと満ちてくる。もっとこんな作品が描きたい、こんなレベルに行きつきたい、血流と共にどんどん頭の中の思考が巡っていく。ぐるりと家の周りを走って帰ってきた頃には、元通り以上の充実したコンディションになっているのだ。
そうやって書いた作品は、案外いいものになってくれることが多い。悔しさにぶち当たって、それを乗り越えていく時の達成感は何者にも代えがたいぐらいの心地よさがある。
多分、お手軽にやる気を出すための方法なんて他にもいろいろあると思うんだ。自分の好きなものを食べたり、ご褒美を上げたり、逆に自分を追い詰めたり。でも結局一番人間にとっていい推進力=エンジンになるのって、いい作品への『嫉妬』であり、『負けん気』であり、あるいは『ガッツ』なんじゃないかなぁ。個人の感想ですが。
ちなみにランニングは日常的にやるわけではないので、翌日は必ず筋肉痛になります。やる気と引き換えの代償が大きすぎないか、俺の体よ。
おしまい。
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