てぃくる 1051 名残を見上げる
暑く長かった夏の名残を見上げる
まだしつこく居座っている夏雲
少雨でずっと痩せたままの樹陰
虫すらばてていた真昼
死んだ風に陽光の刃だけがきらめいていたこと
灼け落ちた実り
早くに絶えた蝉のうなり
いつまで経っても密やかなままの虫の音
ざわめくセンダンの梢。
焦げついた埃を落とそうと、やっと涼しさを感じられるようになってきた風に夏の名残を洗い落とす。
折れ草のわずかな陰に|鉦叩《かねたたき)
(2023-09-17)
Late Summer Waves by 7co