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水草律子
2020年1月24日 16:59
不思議と記憶に残っている風景や情景というものがある。思い出す――というよりも、ふと、あちらから、こちらの方にやってくるような景色だ。その情景が頭に浮かぶときはいつも、うっとりするような、まるでわたしが今もまだそこに居るような気持がする。 そういった風景は、鮮烈で、人生の中の特別な出来事――というわけでは必ずしもない。そういう記憶はこちらから、意味を辿って思い出せるだろう。その場面を言葉に