![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/171092471/rectangle_large_type_2_09c6d90ae4bdf508cd5c37ed76c63d08.jpeg?width=1200)
藤岡陽子『きのうのオレンジ』読了
若くして病気で亡くなる話を読むのは苦手だ。そんな人もいるだろう。ただ私の苦手な理由は私の独特のものだ。ただ、ここでは書きたくない。
オレンジ色は日の出の色でもあり、夕暮れの色でもある。そのあいだに青空が広がっている。凌賀と恭平の関係はそれと同じだったのかもしれない。青空の淵と淵をオレンジ色の太陽が包み込む関係。登山靴の青とオレンジと同じ関係。
本の影響を受けやすい性格なのか、吉本ばななの『白河夜船』では「優しすぎるということは、きっと冷たすぎるからなのだろうか」という言葉に共鳴しながら、この本を読んだら優しすぎるということは、そのまま優しすぎるということなのだと思ってしまった。
最後に凌賀が納得できて死ねたことにホッとしている。