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#124 "不"完璧ってのがいいんじゃない?~私のアイコンから、東福寺の市松模様にまで思いを馳せる


コノエミズのアイコンをあきやまやすこさんが、NNさん主催のアイコン大賞にノミネートしたいと言って下さったのを知り感涙した。

そのことがとても有難くて、この機会にこのアイコンのクリエイターが誰かを明かしてみたくなった。(まあ、想像はついているかもしれないけれど‥‥)


私のアイコン誕生

ある日、まだ小学生だった息子No.2 が、いやに静かになにかに集中していると思えば、
食べていたフルーツサラダで顔をえがいていたらしい。

要らないものをどんどん食べ進めつつ、顔のパーツを吟味したようだ。

「Mummy, look!」(おかあさん見て!)

じゃ~ん!

お、なんとキリっとした、いい顔ではないか。

たまたま使った器が白くて平たかったから、その発想に至ったのだろうか。食べ物であそばないように‥‥と普段教えてはいるが、どうせこれも食べるのだから許す。

皿の上のパーツが息子に動かされている間につぶれたバナナが変色して、醸し出す顔がなんともコキタナク、そこが愛おしい。
ミュージカル『Oliver!』のうすよごれた顔の少年オリバーを彷彿とさせて可愛い。
いや、汚いは撤回だ。そばかすの『赤毛のアン』の魅力に迫るキャラクターを感じないか。

そんな思い出の作品が、私のnoteのアイコンになった。

画質なんて気にしない。
綺麗なお皿とフルーツで作り直そうとも思わない。

私は、「自分の言葉を発信するのだ」という、去年の3月の決意表明をこのアイコンの顔に託して今に至っている。


顔と言えば、
左右のバランスがよいことは美人の条件でありながら、左右が完璧に対称でないほうがより魅力的に見えるのだという。

これも聞いた話だが、人形やぬいぐるみは左右の目の大きさを微妙に変えて作るらしい。左右対称でないほうが愛らしいのだそうだ。



市松模様の庭が教えてくれる不完璧の中の真理



市松模様が、鬼滅の刃で丹治郎の羽織の柄になっていることで、多くのファンが訪れるお寺があるという。

京都の東福寺だ。


東福寺の方丈庭園は、1939(昭和14)年に重森三玲によって作庭された枯山水で、「それぞれのテーマを抽象的に表現した庭」であることが特徴である。

JapanTravel.comの日本語サイトより


方丈の四方には異なる趣向の4つの庭があり、

西庭の立体的な市松模様から、北庭はより刻みのある市松模様へと変化します。釈迦の入滅までを表したもので、最初は規則性のある市松模様が、どんどんと崩れていき散り散りに。そして一つずつの石が東へと消えていきます。

https://maru-take-ebisu.jp/tofukuji-teien/


日本のトレンドをよく知らない私が、なぜ日本のお寺のことを書くかには訳がある。
ちょうと英国の人気ガーデナーMonty Don が日本を旅し、Japanese gardens (日本庭園) を訪れるという番組をBBCで観たから。

BBC Monty Don's Japanese Gardens動画より

Monty Don は以前にもこの庭を訪れており、自身が癌で闘病した時に、記憶の中のこの市松模様が何度も何度も思い浮かんだのだと話す。
それは、「人はいづれ死ぬ」という必然について初めて考えた時だったのだろうか。
それほどに彼の中にインパクトを残した情景だったというのだ。
「それはあたかも、市松模様がそれまでの計画的な人生のように思っていた。だが、その規則性が崩れ、溶け、消える時も人生だ」
そうMonty Donは受け止められたという。


冒頭サムネ画像に見る市松模様は規則的で心地がよい。

このような有名な庭のデザインなのだから「完璧」であることは期待に適うことかもしれない。

だが、もしもこの市松模様が完璧であったならば、病の床でその有り様を思い出す人がいただろうか‥‥


私のアイコンから、方丈北庭の市松模様に発想が飛んだが、
『あれ?なんでちゃんとなってないんだろう‥‥』と意表を突く、そこに不完璧主義のススメがある。



ずっこけているほうがいいんだってさ


私の大好きな詩を思い出した。

なんど読んでも、読み返すそのたびにハッとさせられている‥‥

2人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは 長持ちしないことだと
気づいているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと うそぶいているほうがいい
2人のうちどちらかが ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が 自分にあったかどうか
あとで 疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には 色目をつかわず
ゆったり ゆたかに 光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても 2人にはわかるのであってほしい

「祝婚歌」吉野弘



尚、サムネ画像はTABIZINEさんのサイトからお借りしました。




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