【恋愛小説】私のために綴る物語(7)
第二章 ミッドウィークとウィークエンドの男(1)
この週末の土曜日は日帰り温泉に行くことにしていた。
「ここだと、温泉に入って、できればお寺のあたりにある、お蕎麦屋さんに行きたいなぁ」
多香子はスマホの検索をみながら言った。こういうときには、旅行用のアプリは便利なんだよねと呟いていた。
「手打ちそばか。たまにはいいね」
「有名なお店も多いし、絶対に美味しい」
「多香子は、食べることに本当に執着するね」
「美味しいものを一緒に食べる。これが大切なの」
「はいはいわかりまし