ロスジェネ世代のケアマネが18年苦しみ続けた介護業界の「現実」
格差、薄給、死、それでも…
■ある女性の忘れられない「死に際」
ケアマネジャーの森仁成さん(仮名)は、10年以上経った今でも胸に突き刺さっている記憶がある。担当していた80代女性・Aさんの記憶だ。
Aさんは、自宅で最期を迎えた。Aさんは亡くなるそのときまで、認知機能の低下はほぼなかった。ただ、慢性心不全のため歩くことはできず、常時車いすを使用していたが、数ヵ月前までは車椅子からベッドやトイレに移ることや、簡単な調理や洗濯など、身の回りのことは一人で可能だった。
Aさんは長男と中学生の孫の3人暮らし。介護は長男が担っていたが、仕事があるため、平日の日中はほとんど一人だ。
しかし、加齢と心不全の悪化により、体力や筋力が低下すると、自分で車椅子に移ることができなくなり、臀部に褥瘡(じょくそう)ができやすくなった。食事の用意もできなくなり、長男が用意して仕事に行くが、徐々に低栄養状態となる。
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