美しい生き方を心がけた母 その最期を看取った40代の娘が学んだこと
「親の死」という反面教師
親の背を見て子は育つ。子どもは親の生き様から学ぶという意味だとすれば、おそらく死に様にも同様なことがいえるだろう。だが、死に方を親から学ぶのは難しい時代だ。元気な頃から死後について話し合うのははばかられるし、離れて暮らしていればその機会すら得られない。しかし、死は誰にも必ず訪れる。「親のような死に方はしたくない」という人がいる。「親の死」を反面教師にする人は、親を看取るまでに何を感じ、何を学び取ったのか。親の死に目の後にしか得られない、先の話に耳を傾けてみたい。
■母親の異変
「なんだか最近、食後に胃がムカムカするのよね」
当時63歳の母親がこう言い始めたのは、2011年の秋頃のことだった。
徳島美奈子さん(仮名・現在40代)は、1999年に結婚。当時は実家からそう遠くないアパートで、夫と7歳の息子とともに暮らしていた。
結婚後も時々実家に顔を出したり、母親とランチやお茶をしていたが、食事の後に冒頭のセリフを口にすることが多くなり、かねてから父親は心配し、病院の受診を勧めていた。
母親はもともと積極的に病院へ行くタイプではなかったが、腹部に違和感を覚えるようになり近所の内科を受診。胃カメラを飲むことに。
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