キリマンジャロより高い!? コスパに惹かれ6000m級山によじのぼった話。
キリマンジャロよりコスパいい!?
を信じた私たち。今回は、6000m級の山 に挑戦したお話です。↓の10選にも入り、地球を感じた体験ができました。
登頂までの過程をつらつらと書いております。それでは、どぞ。
(訳ありで再投稿になります....!)
ボリビアの首都、ラパスにて
私たちは2020年の2月に南米ボリビアの首都、ラパスを訪れました。(場所はここ↓)
この日は(偶然…?) Rinの誕生日。なんの期待もしていなかったけれどおっきなサプライズが!!! それは…
“ 登頂の挑戦状 ”
でした。まさかの自ら頑張って勝ち取るタイプのプレゼント。。
今回やろうと思ったきっかけは… キリマンジャロよりコスパがいい から。笑 アフリカを回っていたとき「キリマンジャロに登ろう!」的な雰囲気になっていたのですが、5.6泊かかるし20万円以上かかるし…なんかそんなお金も時間もかける勇気はない。ということで断念。
代わりに見つけたのがこのワイナポトシ。ツアー代自体はなんと1万5000円。2泊3日で行けて、なんとキリマンジャロよりもトップが高い。(日本から来たらフライト代だけで結局お金はかかるんだけど)
お互い旅中はkeen一筋で、トレッキングしか行ったことがないし、山登りもそんな好きでは、ない。笑 ただ南米にきたからには…
これは行くしかない!!
と、私たちのセンサーがビビッときたようで。むしろこれ登れたらもう山登りは良いかなと。笑 気づいたら申し込んでいました。
ちなみに、「世界で最も挑戦しやすい6000m峰」とは言われているけど、この山の登頂率は50%。アジア人、日本人となると、、、20%ともっと下がるらしいです。(アジア人頑張れ…) そして、2人とも登山未経験。
24歳ホヤホヤの Rin 。早々挑戦がデカすぎる… と思いながらも、ここで一緒にやらなければ Masaru が自慢して帰ってくると思い(それだけは阻止したい….!!!!!! ) と提案に同意。笑
今回のツアーは全部レンタル。ヘルメットやアイゼンなどはもちろん、バックパックやトレッキングシューズ、ダウンまで。
ラパスの街にはたっくさんのツアー会社がありますが、3.4件まわりレンタルや日程など色々検討した結果、この「MOUNTAIN ILLIMANI」というツアー会社で申し込みすることに。
こんなんも持ってないのか?と言われそうなほど全部レンタル。笑 必要な時に借りる。洗濯も管理もしなくていい、必要なら借りる。荷物も移動の課金も減るし! コレが一番合理的だと思っています。
登山への挑戦、始まる。【1日目】
9時に集合して、登山のスタート場所であるキャンプロッジへ。
こんなところに家が…ってくらい結構な奥地にあり、古びた車に乗って揺られながらお昼頃到着。早速お昼ご飯が用意されていて腹ごしらえ。
ロッジのご飯はまずいと聞いていたけど、全然美味しい。めちゃくちゃ熱いわけではないけれど、気温が低いせいかホクホクなご飯にホッとさせられました。
そのあとちょっと休んで、今日はアイスクライミングの練習。1時間登ってそこで1時間練習し、ロッジに戻る3時間コース。
練習場所についた時は、すでに他のツアーの人がやっていてちょっと混雑。私たちはなんと…垂直どころかやや反り返っている雪山の壁で練習することに。期待を込めてかバカにしてか、このガイドスパルタすぎる…
逆に燃える。
アイゼンやピッケルを準備してトライ。この時、今までのことをふと思い出しました。
モロッコのトドラ渓谷でやった、天然ロッククライミング。パタゴニアでやった、氷山トレッキング。”垂直に登る”ことと”アイゼンで歩く”経験が活きる時がきた!と。
無事、命綱に1.2助け頂きながらもよじ登り成功。終わった直後はもう握力ゼロ笑 ガイドさんとも抱き合い喜んでちょっと距離が縮まった印象。
帰ってこの日の予定は終わり。6時頃ご飯を食べて…. 電波も届かないし、寝床しかないのでやることがなく即就寝。
この日は19時に就寝。oyasuminasai!!!
のはずでしたが…
Rin の体調がおかしくなり… 脈めちゃくちゃ速くなってるし、頭をハチマキですっごいギューーーッて締め付けられているような感じ。命に関わるとかいうほどじゃないんですけど。
完全なる高山病が発症。ひとつ前のウユニで高山は少し慣れていたはずでしたが…山は甘くなかった。(実はMasaruも結構キテいたらしい。)
最初のロッジは実はすでに4800m。ラパスの街もすでに3700mあるとはいえ、車移動で1000mアップしているという事実。 常に富士山よりも高いところで生活してるラパスの人たち… すごくないか?
コカの葉を噛みしめながら、水分補給をめちゃくちゃして。眠れない夜を過ごしたこの日。
すでに辛い、中盤。【2日目】
12時間ほど睡眠時間はあったものの、頭の締め付けやらトイレやらでほぼ十分に寝られずの2日目。8時頃に朝食。
この日は次の中継地点、ハイキャンプまで3時間登るスケジュール。5200mまで上がります。 なんかもう高山病でダメなんじゃないか…と早くも思い始めた朝。ただ、外に出るとなんか元気に。
ガイドさんが毎度料理してるのですが、気になったのは…窓がほぼ開けられないこと。
標高が高くて、ただでさえ酸素が薄い状況なのに… .酸素が薄いより、酸素がない、のはまずい。笑
高山病 << 酸欠??
一緒に泊まっていたフランス人の男性はそれほど苦しそうではなかったけど一要因として、これはある、はず。と2人で話していました。
とりあえず、山を登って次の目的地へとVamos!!!!!! コカの葉を噛みしめ、3時間かけて登ります。
ちなみに何度も登場するこのコカの葉。日本ではポジション的に麻薬扱い。(※日本に持ち込むのは違法です) コカインのコカ!! ただボリビアだと、日本の緑茶的な感じでみんな頻繁に葉をしゃぶったりお茶として飲んだりしています。気分がハイになるとかではあまりなく…本当に、高山病予防のお薬(になったりならなかったり)。
Masaru はずっと登ってる間、口に入れてました。
お天気はあいにくの曇りでしたが大雨にもならず、何だか早く登れて2時間ほどで到着。これにはガイドさんもびっくり。笑 (ただ一緒にいたフランス人の方がもっと早かったのでそこまで実感なし。)
お昼にまたご飯を食べて今日は終わり。
翌日(最終日)の登頂アタック深夜の1時からなのでそれに備えて休憩。就寝。ただ、何故か夕方6時頃夕食タイムがあり再びご飯。何もしてないのにご飯タイムが来る… 高山では食べすぎは厳禁なのですが、ガイドさんがせっかく作ってくれたし、なんか美味しそうでもあるし。食べました。笑 (多分これも良くなかった)
そして、恐怖の睡眠タイム。昨日に引き続き、頭がキューーーーーーーッとして、もう寝るどころではない頭痛と気持ち悪さ。2人ともダウンしてました。
ロッジの構造を見ると、前の日と条件は一緒。笑 多分、室内の酸素が、少ない。(?)
まだ外の方が!と2人して寒空の中、外で深呼吸。まだ美味しい酸素を薄くても吸いたいという一心で。山の専門家が見たら怒られそうな図。こんな辛い夜は人生初かもしれない… と思った瞬間。
普段なんでも薬に頼るのは嫌なので滅多に飲みませんが… あまりの辛さに、日本人みんなが使っている ダイヤスモッグ という高山病に効くらしい薬を服用。モロッコでめちゃくちゃ南米を推してきてくれた男性にもらったお薬、ここで使わせて頂きました。(ありがとうございます!!!!!!)
薬のせいか外気を吸ったせいか、ちょっと落ち着いて、就寝。
明日?というかもう数時間後、挑戦ははじまっていると思うとゾワっとしたのを覚えています…
登頂率20~30%。本当に登れるのでしょうか。本当に分からない。と思っていたこの時。とりあえず、ファイテンシールを身体中に貼り次の日に備える二人。首筋、コメカミ、心臓、足…これを持たせてくれた母に感謝。
「勇気ある撤退も大事。死なない程度に頑張ります。」一応意気込んで、おやすみなさい…
登頂アタックの最終日。【3日目】
深夜1時。また浅い睡眠から目が覚め、いよいよ登頂アタック。
もとから雪は積もっていたけど、前日の雪でより白さが増した地面。とは言っても外は真っ暗なので先はほぼ何も見えず、これから最低でも5時間はひたすら雪道を歩くのみ。
ヘルメット、ヘッドライト、アイゼン、ピッケル… あらゆる装備をつけて、Vamos!!!! ガイドさんと自分たちを繋ぐ命綱のロープ。一列に並んで足元を照らして進みます。
幸いにもそんなに吹雪いてなくて、ちょっと気になるくらいの雪。ずっと動いているので寒くもありません。
ただ、一歩進むともう、膝くらいの深さまでズボッと。何故か私たちのグループが先頭で…笑 一番最初にふわふわの雪山を進むガイドさんがとてもキツそうでした。毎度登ってるからそんな苦ではないのだろうけど。。
私たちはガイドさんが踏んだ足跡をひたすら追いかけるのみ。一歩ずつ足を合わせていきます。ほぼ無思考。ずっと結構な急斜面なのでしんどい…
なんで山登ってんだろう…
何万回思ったか分かりません。ただ、考えてもしょうがないことはやめる。登れば着く。それだけ。笑
ここでふと蘇った、インドのヴィパッサナー瞑想。(すぐ活かしたがる笑)
ガイドさんのアドバイスは本当にシンプル。
「とにかくゆっくり歩くんだ!!」
「深い呼吸をするんだ!!!」
「it is important !!!」
って。でも本当にそれが大事でほぼそれしか意識していなかったこの時。
約40分毎に休憩。休みすぎると寒くなってしまうので2.3分ほど息を整えてまた再開。登頂にもタイムリミットがあり、日が出てしまうと雪が溶け始めて危ないので登頂チャレンジは日の出前まで。
Masaru はひたすら無になる。(途中眠ってたらしい)
Rin はひらすら呼吸。(スローな過呼吸)
ひたすら歩いていたら意外とあと半分のところまで。ここが1つの山場。1日目のアイスクライミングの出番が何故か来る。トゥエンティーミーター、アップ!って、ガイドさん。
あの時これは練習だけだよって言ってたのに。え…? ほぼ垂直の雪の壁を登る試練。ここまで散々歩いて疲れて、しかも真っ暗。
つらっ。
まあなんだかんだ乗り越えて、またひたすらザクザク進む。
この一越えした後にさりげなく、ホットコカ飲む?と自分の水筒から分けてくれるガイドさん。甘く温かいものが全身に染み渡る… 本当、神様に見えました。
息も上がってきて辛くなってきたけど、なぜか高山病っぽい頭痛や腹痛、吐き気は一切なし。(これにはお互いびっくり) ただ、持久走のような疲れのみ。
どんどん6000mに近づき、最後の山場。あと1時間、あそこだ!って。太陽の光が地平線から漏れてきて、ちょっと山頂が見えてきたのですが….
いや、垂直ーーーーーー!!(ほぼ)
多分あと少しなんだろうけど…首が痛くなるほど見上げた先にある頂上。みんな残り100mアップ地点で様々な原因でリタイアするらしく…これを見て納得。
でも、行くしかないし、なんか思ったよりいける気がしたこの時。まじで。そしてついに…..6:05 。(約5時間の格闘の末)
登頂ーーーー!!!
え、登った!?達成?鼻水だらだらだし唇カピカピだけどもう何でもいい笑それと同時に今までずーっと曇りだった空も、何故かサーーっと晴れて最高の景色に。
そして、山頂に足跡もついてなかったので多分、1番!笑 ガイドさんのペースが絶妙に良すぎて、無理せず淡々と進むことができたんだと思います。最高かよ。
山頂のエリアがちっさいのでほんの束の間の滞在。写真を撮ってササっと下山開始。
もう明るいので帰りは、自分たちが歩いてきた道がよく見えて。逆に、行きの時に付いたその足跡を見て、急斜面具合にゾッとしました笑 見えなくて良かったかもしれません。
あとは来た道を戻るのみ。この日出発したハイキャンプまでは2時間。そこから残りの荷物を持って初日のベースキャンプまで2時間。
意外と最後の2時間が最高に気持ち悪くなって、Masaru は顔面蒼白(チーン)。Rin は嘔吐(ぶはっ)。ホッとしたのかなんなのか。笑 ガイドさんももういいやと思ったのか、最後の平坦な道は自分たち置き去りにして先帰っちゃうし。
迎えに来てたおっちゃんも「お前ら登ったのか?」ってびっくり。ハグ。(こんなアジア人でも登れるのさ。)
あとはラパスの街に車で戻り、お疲れ様の、中華料理。 とりあえず、無事登れてよかった。地球を感じた日。
達成感の塊でした!!!!
もう登山は…..しません!!!(多分)
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