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ため息俳句1 寒の月


寒の月バナナはひたすら待っている


 昔、バナナは貴重な果物としてリスペクトされていたのだった。
 それが、今はスーパーマーケットの店頭で安売り目玉商品であったりする。
 それをバナナはどう感じているのだろう。
 むしろ、昔よりずっと人々に愛されているのだと知っているだろうか。
 
 さて、夏場なら黄色の美しかった色が、たちまちのうちに薄汚く変色して、果肉も熟しすぎてトロトロになってくる。
 そういうわけで、なんだかバナナというのは、一刻も早く食べられることを待っている、そんな気がする。
 今は、真冬であるが、それでもバナナは、その時を待ち望んでいる、きっとそうだ。