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水曜日の窓辺
2024年9月18日 23:23
昨晩は、名月に憎まれ口をたたいたが、今夜の月は素晴らしい。 そこでこの風雅な一文を。堅田十六夜の弁 芭蕉 望月の残興なほやまず、二三子いさめて、舟を堅田の浦に馳す。その日、申の時ばかりに、何某茂兵衛成秀といふ人の家のうしろに至る。「酔翁・狂客、月に浮れて来たれり」と、声々に呼ばふ。あるじ思ひかけず、驚き喜びて、簾をまき塵をはらふ。「園中に芋あり、大角豆あり。鯉・鮒の切り目たださぬこ
2024年9月10日 23:12
秋の七草もよろしいのだが、秋を極める花は、鶏頭であるかもしれない。その証とも言えそうな茂吉の一首。鶏頭の古りたる紅の見ゆるまでわが庭のへに月ぞ照りける 茂吉 名月と鶏頭、意外な組み合わせであるが、似合いそうだ。 では、これはどうだろう。名月や鶏頭花もにょっきにょき 良寛 名月ではないが、同じく良寛で。綿は白しこなたは赤し鶏頭花 今盛んに、我が菜園でも綿が吹いている最
2024年9月4日 23:26
この花、屁糞葛と呼ばれている。畑の周囲に咲いている。 まこと、命名というのは、慎重にしてほしいものだ。 名を へくそかずらとぞいふ 花盛り 虚子 屁糞葛という呼ばれ様は、茎や葉を揉むと悪臭がすることからだ、その悪臭の素は、確かに屁の成分と同じだという。 しかし、和名には、花の内側の赤色がお灸をすえた跡に似ることから「ヤイトバナ(灸花)」、また、筒状の小花を田植えをする早乙