クリスマスケーキ その2
我が家で初めてクリスマスケーキを
注文することにした。
もはや行きつけになったケーキ屋のチラシには、
かわいらしくデコレーションされたケーキの
写真が並んでいる。
ケーキの写真というのは眺めているだけでも
ワクワクしてくるものだ。
どれもおいしそうだけれど、さすがに2個も
3個も買うわけにはいかない。
(十分食べきれるし、むしろ2個も3個も
食べたいのだけれど、お金的に。)
とりあえずぼくと妻でそれぞれ食べたいケーキをあげてみた。
・ぼくが食べたいケーキ
1.チョコレートケーキ
2.ショートケーキ
3.栗のモンブラン
・妻が食べたいケーキ
1.ゆず風味のロールケーキ
2.ピスタチオのケーキ
見事に嗜好の違いがでたな、
と思わず苦笑いした。
ぼくは何事も基本のオーソドックスなものを好む。
おにぎりの具なら鮭、おかか。
パンなら食パン、バゲット、ロールパン。
ピザならマルゲリータ。
服は基本無地のモノクロ色だし、
家電も妙な機能がついたものは買わない。
(ここにあげたものが「基本のオーソドックスな
もの」かは議論があるかもしれないけれど今は
置いておく。)
一方で妻はちょっとした変わり種や限定もの、
プラスαのあるものに惹かれる傾向がある。
おにぎりならまず食べたことのない味を探すし、
パンは味つきや具材が入ったものを選ぶ。
服はパステルカラーだし(でも柄は無地)、
家電の便利機能には魅力を感じるようだ。
いつものことながら「ホントに趣味嗜好が
合わないよね」と笑わずにはいられない。
…さて、ここからどう絞るかだけど、
とりあえず妻はモンブランがあまり
好きじゃないとのこと。
好きじゃないケーキをホールで買うのは
さすがにかわいそうなのでモンブランは却下。
ピスタチオのケーキはスポンジのかわりに
ダックワーズを使っているらしく、
切り分けるときに残念なことになりそう
なのでやめておくことにした。
僕の第一希望のチョコレートケーキは、
妻がチョコを食べると顔に吹き出物ができる
ということで、泣く泣く落選。
残りはショートケーキと
ゆず風味のロールケーキになった。
ここまでくるとどっちでもいいや、という
気分になってきたので、妻の第一希望の
ゆず風味のロールケーキを注文することにした。
・・・・・
クリスマスケーキをどれにするかなんていったら、
子どもの頃なら間違いなく兄弟喧嘩になり、
ジャンケンで決着をつける案件だったろう。
(ぼくは3兄弟の次男だ。)
でもぼくら夫婦は不思議とこういうことで
喧嘩になることはない。
それなりに相手を尊重し、
譲りあいの精神を発揮できる。
大人なんだから当たり前でしょ、
と笑われるだろうか。
でも他のことでは、後で考えればかなり
くだらないと思えることでも、
しょっちゅう口論をするのだ。
考えてみると、ぼくらの喧嘩は
譲りあいの精神を発揮しすぎているところに
端を発している気がしてくる。
自分が遠慮しすぎて疲れてしまったり、
相手に良かれと思っての行動が的外れなせいで、
互いにフラストレーションをためていく
パターンが多いのだ。
なるほど。
遠慮しすぎや、相手に譲りすぎるのも
良くないのかもしれない。
それならもう少し自己主張強めでいってみようか。
手始めに、新年の抱負は
「今年のクリスマスケーキはチョコレートケーキ
を主張する」で決まりだ。