本いっぱい買った【ハードカバー編】
社会人になってから読書離れしていたけど、3日に渡って久々に本をドカ買い。金額によっては電子書籍でも買うけど、やっぱり店頭でブラウジングするのが一番楽しい。
活字に定期的に触れないと言葉の感覚が鈍っていきそうで焦っていたのに、結局のところは家帰ったらアイス食べてYouTube見ながらソシャゲ…という日々を送っていた。流石に文字に関わる仕事を貰えるようになったのだから、この辺を磨いていかないと本当に腐る。そう思っていたところで少し生活にゆとりが出てきたので、とりあえず積んでもいいから、という潔さで本を買った。
ここから完全に何を買ったかを羅列するだけになります。まだ読んでないからね! 感想は今度ね!
・52ヘルツのクジラたち/町田その子
本好きなら説明するまでもない2021年本屋大賞受賞作。
要は、本屋さんが「読んで良かった! みんな読め!」という本。書店員は毎日色んな本をお会計するから、売れてる本はもちろんのこと、出版社のおすすめも知っているし、その中から自分で気になったものを買ったりするんだから、本好きとしての目はかなり肥えている(という総意)。そのトップに輝いたのがこの『52ヘルツのクジラたち』。とりあえず読まないと! という気持ちもあるけど、あらすじを見てもかなり惹かれるところがあったので迷いなく購入。「52ヘルツで鳴くクジラは周波数が違うため、ないても誰にも気づかれない」というストーリーに引っかけたタイトル付けも良い。
・推し、燃ゆ/宇佐見りん
こっちは最新の芥川賞受賞作。芥川賞って文学的な作品が注目されるから、一般受けしないタイトルも多い。しかし、これはむしろ若い人こそ読めるという作品であり、歴代の受賞作と比較するとかなりセンセーショナルな内容だ。作者も現役大学生という驚きのみずみずしさ。「推しアイドルがファンを殴った事件をきっかけに精神的に翻弄されていく女子高生」が主人公という勢いの良さは、まさに今だからこそ入り込める部分だ。実は今、これを途中まで読んでいる。今度感想をあげよう。
・アニマ/ワジディ・ムアワッド
面陳(表紙を立てるようにして陳列すること)されていた表紙のインパクトでジャケ買い(とはいえ買う前にちゃんとあらすじは目を通すのですが)。歴史的な背景にまつわる物語は、フィクションであってもなるべく触れるようにしたい。大学生の時「あまり教科書で大々的に取り上げられないけど結構重大なできごと」を世界史の中からピックアップし、それを参照している映画作品を観ながら教授が解説しまくるやべぇ授業があった。まじでめちゃめちゃ楽しかったし、その時観た映画の内容もかなり鮮明に覚えている。史実は、ただの事実の羅列ではなく、わざわざ物語として打ち出すことにも意味がある。
・ザリガニの鳴くところ/ディーリア・オーエンズ
これも今年の本屋大賞受賞作。「え、本屋大賞っていくつもあるの?」と思うかもだが、これは「翻訳小説部門」。翻訳小説なんてハリーポッターとかダレンシャンみたいに当たり前のようにあると思われがちだけど、実際に書店に並んでいる数はかなり少ない。粗筋と帯の煽り文句にあっさりやられ、迷わずレジへ持って行ってしまったわい。
・「役に立たない」研究の未来/初田哲男
目的は下記2冊だったが、それらを探している途中に目が止まった。今年に入ってから『東京原子核クラブ』という科学者を主人公に据えた群像劇を観たのだが、それがあまりに良く、印象に残っている。科学は常に、追究する以外のその他の動機にさいなまれることがないが、端からみればそれはとてつもなく愚かなことのように思われるものだ。しかし、それはゆくゆくは確実に時代を変える礎となっていき、私達はその上で生活をしている。科学者の感覚というものを肌では知らないけど、その片鱗だけでも感じられればと思った。
・禍いの科学 正義が愚行に変わるとき/ポール・A・オフィット
こっちはもっと生々しいやつ。オモコロ編集長の原宿さんがオススメしていたので気になった。帯の文字列で内容は察せられるが、今だってこういうことが進行形の可能性もある。結局、素人に詳細が分からないことが表面下で進んでいるなんてザラにあるのだから、そういった歴史を紐解けるのであれば、間違いなく読んでおいた方がいいのではないだろうか。
・人口減少社会のデザイン/広井良典
これもオモコロの原宿さんが「読んで良かった」と言っていた。たまにはこういう歯ごたえよさげなものをちゃんと読んでおこう。社会人なんだから。自分が文明社会で老いながら生きていくことは必然であるからして、こういった社会問題からは逃れられない。色んな専門家が色んな意見を言うが、そこの正しさが問題ではなく、自分が納得できる見解がどういうものか、ということくらいは、常にはっきりさせておいた方がいいと思っている。
以上がハードカバー編。実はこれ以外にも文庫を何冊か買っている。
という訳で、次は文庫編をなんとかします。
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