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アルバムレビュー

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レビューの少ないアルバム、好きなアルバムを自己満足でレビューしてます
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#ソウルジャズ

Les McCann - Never A Dull Moment! Live From Coast To Coast(1966,1967)

Les McCann - Never A Dull Moment! Live From Coast To Coast(1966,1967)

本作はレスマッキャンの66年シアトルでのライブと67年ニューヨークでのライブをまとめたもの。構成的には2枚組のライブインシアトルと1枚組のライブインニューヨークをカップリングしたような感じ。生産は最近いい音源を多く発掘しているレゾナンスでここの会社らしい愛とリスペクトを感じる丁寧なつくりとなっています。ノラジョーンズがお気に入りとしてこの作品を紹介していたので欲しくなって購入しましたが2時間に渡っ

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Arnett Cobb - Chittlin' Shout(1971)

Arnett Cobb - Chittlin' Shout(1971)

ジャズ界にはテキサステナーという人がいます。彼らは皆テキサス出身でそのプレイはベンウェブスターやイリノイジャケー、ジーンアモンズから影響を受けており豪快でブルージー、バラードではメロディを美しく歌い上げるスタイルを得意とし、その演奏はテキサス出身でない人物にも影響を与えています。またその演奏はジャズだけにとどまらずブルース、ソウルやロックでもその演奏を聴けます。有名なテキサステナーは今回紹介するア

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Ramsey Lewis - Golden Hits(1973)

Ramsey Lewis - Golden Hits(1973)

 本作はラムゼイルイスのベスト盤です。ただし一つ疑問が。本作に収録された曲を吹き込んだチェスやアーゴ(カデット)はCBSとは一切関係ないはずなのになぜ?そんな疑問をもちつつ針を落とすと驚いたことに再録盤でした。しかも単なる安易な再録ではなく電気楽器をふんだんに使った当時最新の最高にファンキーな演奏です。当時結構売れたようでレコード店ではThe In Crowdの次によく見る気がします。ちなみにCB

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Eddie “Lockjaw” Davis & Shirley Scott - Jaws(1959)

Eddie “Lockjaw” Davis & Shirley Scott - Jaws(1959)

楽器を始めた理由はなんですかという質問に対する答えは数あれど「飲む打つ買うに憧れて楽器をやろうと思った。目立つ楽器の方が遊べそうだけどドラムはめんどくさそうだからサックスにした」と答えたロックジョーデイヴィスほど不純な動機を隠すことなく語った人はいないはずです。そんな不純な理由で楽器を始めた人がアーチーシェップという正反対のような思考の人間に影響を与えたというのも面白いです。Jawsという芸名はマ

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Jimmy Smith - Back At The Checken Shack (1963)

Jimmy Smith - Back At The Checken Shack (1963)

本作は1960年に録音されたアルバムで61年リリースのミッドナイトスペシャルと同じです。ミッドナイトはすぐにリリースされたものの本作は2年後にリリースされています。しかもその間にもっと後のセッションの録音を収録したアルバムが何枚かリリースされています。ブルーノートの録音とリリースは調べれば調べるほど謎が深まります。どこかで聞いた話ですがブルーノートがシリーズ化できるほど膨大な未発表音源集や正確な型

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Jimmy Smith & Wes Montgomery - Jimmy & Wes The Dynamic Duo (1966)

Jimmy Smith & Wes Montgomery - Jimmy & Wes The Dynamic Duo (1966)

ジャケ写からしてファンキーな匂いがする一枚ですが左側のオレンジのセーターを着ているのがジミー、右の帽子を被り、青みがかったグレーのスーツを着ているのがウェスです。ウェスとオルガンというとメルラインがいますが彼は伴奏に徹するようなスタイルなのでジミーのような我の強いタイプのオルガン奏者との共演はこれが初です。ジミーもギタリストは伴奏に徹するタイプのエディマクファーデンや自我のオンオフが得意なケニーバ

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The Three Sounds - Moods (1960)

The Three Sounds - Moods (1960)

 ラテンリズムやチェレスタなどを用いたポップなサウンドでデビューしたスリーサウンズですが段々と本性を表してメンバーのルーツであるブルージーでソウルフルなサウンドになっていきます。本作では後にブルーノートの社長であるアルフレッドライオンと結婚するルースメイソンのカラー写真をジャケットに使った目立つジャケット故か代表作として紹介されることも人気も多い一枚です。実際レコード店の壁に他のアルバムと並べて飾

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Herbei Mann - Memphis underground (1969)

Herbei Mann - Memphis underground (1969)

本作はリーダーのハービーや南部をソウル系のミュージシャンのソウルフルな演奏よりもサイケデリックに歪むラリーとノイズ発生器と化したソニーの2人による1969年だからできた演奏が聴きどころです。ソウル、ロック、ソウルジャズ、電化ジャズ、フリージャズが共存し混ざり合いイージーなところから一気にジャズのディープで前衛なところまで連れていかれてしまうある意味恐ろしいアルバムですがこのギリギリのバランスで成り

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Les McCann & Eddie Harris - Swiss Movement(1969)

Les McCann & Eddie Harris - Swiss Movement(1969)

 このコンサートは思いつきとアクシデントによってリハーサル含め全く共演したことがないミュージシャン同士の演奏になったものの結果として素晴らしい演奏が繰り広げられたという珍しい例です。会場はタイトルにもある通りスイスのモントルーフェスティバルでリズム隊はレスマッキャンのグループのメンバーだったものの肝心のレスは飛行機に乗り遅れてエアチェックにこない、エディハリスは打合せ時間もレスの演奏をほとんど聴い

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Jimmy Smith - The Master (1993)

Jimmy Smith - The Master (1993)

本作はジミースミス12月の24と25日に大阪で行ったライブを収録したものです。フュージョン時代はパッとしなかったジミーですがモダンジャズが復活してきた80年代後半以降復活した頃なのでノリにのった演奏が楽しめます。またライブ日がクリスマスということでアドリブパートでクリスマスソングを交えているのがユニークで面白いです。

メンバー
ジミースミス:オルガン
ケニーバレル:ギター
ジミースミス:ドラム

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Lou Donaldson - Sentimental Journey(1994)

Lou Donaldson - Sentimental Journey(1994)

時代は飛んで90年代。時はアシッドジャズにジャズヒップホップ、レアグルーヴとノリのいいジャズがリアルタイム以上に評価と人気を得ていた時代。ルードナルドソンもやってくれました。しかも相棒がドクターロニースミスです!60年代のソウルジャズのような緩くブルージーな演奏をしているので歳とってからのアルバムだと敬遠するのは勿体無い一枚です。

ルードナルドソン:アルトサックス
ドクターロニースミス: ハモン

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Lou Donaldson- Mr. Shing-A-Ling (1967)

Lou Donaldson- Mr. Shing-A-Ling (1967)

タイトルのシンガリンとはブーガルーから派生したダンスミュージックです。しかしルードナルドソンとロニースミスの手にかかればソウルフルでブルージーなサウンドにそこが最高にいいです。ジャケットはこの頃のブルーノートらしい女性のモデルを起用した奇妙なデザイン。トランプかタロットカードのイラストのようなデザインが面白いです。

メンバー
ルードナルドソン:アルトサックス
ブルーミッチェル:トランペット
レオ

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Ramsey Lewis - “Live “ In Tokyo (1968)

Ramsey Lewis - “Live “ In Tokyo (1968)

本作はラムゼイルイスの初来日を記念して制作された日本限定のライブ盤です。この時はドラムで後にE,W&Fを結成するモーリスホワイトが、ベースで長くラムゼイを支えたクリーブランドイートンが参加しています。解説には記者会見時のメンバーの様子が書かれていますがそれが面白いので引用します。

この頃は大分崩れてきたとはいえまだジャズミュージシャンは皆スーツを着ていた時代。メンバーも三者三様のカジュアルでかっ

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Shirley Scott - On Clear Day (1966)

Shirley Scott - On Clear Day (1966)

女性のジャズミュージシャンというとその多くはシンガーかピアノを弾きつつ歌う人で楽器の演奏がメインという人はあまり多くはありません。シャーリースコットはオルガン、ピアノ、トランペットを演奏するミュージシャンでプロになってからはオルガンだけを演奏しています。彼女のオルガンプレイはフットベースを使わずタッチもピアノを弾いているかのような軽さがありますがコテコテ、熱々のホンカーとも渡り合うことができる腕の

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