The Three Sounds - Moods (1960)
ラテンリズムやチェレスタなどを用いたポップなサウンドでデビューしたスリーサウンズですが段々と本性を表してメンバーのルーツであるブルージーでソウルフルなサウンドになっていきます。本作では後にブルーノートの社長であるアルフレッドライオンと結婚するルースメイソンのカラー写真をジャケットに使った目立つジャケット故か代表作として紹介されることも人気も多い一枚です。実際レコード店の壁に他のアルバムと並べて飾られているのを見たことがありますがとてもよく目立つ配色とデザインです。
メンバー
ジーンハリス:ピアノ
アンディシンプキンス:ベース
ビルダウディ:ドラム
Love For Sale
ボサノヴァ調のリズムですが初めにリードを取るのはウッドベース。その後ピアノがメロディを弾きますがボサノヴァとは言えないくらいガッチリとしたボトムがかっこいいです。しかも後半にはディジーガレスピーのマンテカのメロディまで飛び出してきます。
Theings Ain’t What They Used To Be
デュークエリントンの曲をしっとりとブルージーにカバー。10分近い彼らにしては長尺で濃いアドリブを聴かせてくれます。
On Green Dolphin Street
メロウかつグルーヴィなバラードナンバー。ジーンのピアノもいいですがリズム隊2人のグルーヴィなバッキングが最高です。
Loose Walk
アップテンポのソウルフルな曲。ジーンのピアノの上で指を転がすようなフレーズをこれでもかというくらい披露しています。
Li’l Darlin’
全員抑えた演奏のルーズな演奏のバラードですが時々熱を込めた力強いタッチの演奏が飛び出してきます。
I’m Beginning To See The Light
拍手から始まる陽気でグルーヴィなナンバー。これもデュークエリントンの曲で親しみやすいメロディとこのグループの持ち味がピッタリ合わさっていてスリーサウンズの曲で1番好きな曲です。
Tammy’s Breeze
ジーンのオリジナルで恐ろしく低いボトムに東洋風のメロディとドラのようなドラムなどスリーサウンズらしくないどちらかというとマーティンデニーのようなエキゾチカ風の演奏です。
Saudu
ソウルフルなグルーヴがかっこいいミディアムナンバー。ここでもリズム隊2人の息のあった演奏が印象的です。
コネクション:ルースメイソン
ラジオDJをしていたルースメイソン。ドナルドバードのアットザハーフノートカフェではMCを、アイクケベックのボサノヴァソウルではアルバムジャケットのモデルを務めソニークラークのクールストラッティンの足も彼女という説があります。ルースをモデルにしたのは身内だからモデル代をケチれるからだと思います。