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アルバムレビュー

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レビューの少ないアルバム、好きなアルバムを自己満足でレビューしてます
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2025年1月の記事一覧

Ray Charles - S,T(1956)

Ray Charles - S,T(1956)

レイチャールズの記念すべきアトランティックでの一作目。アトランティックのレイはあらゆるジャンルの音楽を飲み込み自分の物とする勢いに溢れていました。もちろんABC移籍後のカントリーやスタンダードを歌うときの胸を打つ歌唱、80年代以降の歳を重ねることによって生まれた滋味あふれる歌唱もまた違った良さがあっていいのは言うまでもありません。本作は移籍後すぐの52年から56年の録音をまとめたものでナットキング

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Wes Montgomery - The Incredible Jazz Guitar(1960)

Wes Montgomery - The Incredible Jazz Guitar(1960)

ウェスの名を一躍轟かせた一枚です。本作の録音は1960年1月26日と28日で、1月25日と27日にはナットアダレイのワークソングが録音されています。ただしメンバーは大きく異なりトミーフラナガンにヒース兄弟という数々の名盤を支えた3人が顔を揃えています。トミーはインタビューにてウェスをいつも腰が低く気を使っていた。オリジナルの譜面を持ってきていた。と語っていますが彼は楽譜が読めなかったのでおそらく気

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Dinah Washington - Newport'58

Dinah Washington - Newport'58

本作はドキュメンタリー映画「夏の夜のジャズ」で映像化されているダイナワシントンの58年のライブです。ジャズシンガーであるものの強いブルースフィーリングを売りにした迫力のある声はブルースはもちろんホットなジャムセッションにもよく合います。リズムセクションだけでなくホーンやヴァイブ二人まで全員がリーダー作を作れるビッグネームをそろえてホットなジャムセッションが繰り広げられています。

メンバー
ダイナ

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Stevie Wonder - Stevie On Stage (1970)

Stevie Wonder - Stevie On Stage (1970)

この時代のスティービーはクリエイティブな条件を求めてモータウンと若干ごたごたしていた時期になります。通説では72年のMusic Of My Mindまでは前史として片付けられていますが若いながらもエンターテイナーとしての才能を発揮し徐々に自分のやりたい音楽に目ざめ折り合いをつけていく姿を切り捨てるのは実にもったいないです。本作は70年のライブ盤でエンターテイナースティービーの最後のアルバムになりま

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Shirley Horn - With Horn(1963)

Shirley Horn - With Horn(1963)

本作はシャーリーホーンのマーキュリーでの2ndアルバムです。演奏はクインシージョーンズオーケストラ(詳細は不明)となっていますがクインシー、サドジョーンズ、ドンセベスキー、ビリーバイヤースの4名が編曲を担当しています。クインシーとサドはモダンなスウィング、ドンはポップより、ビリーはモダンとスウィングの中間と編曲の違いを楽しめます。

既に書いたとおり誰が演奏しているのかは不明ですが時期を考えるとB

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Smokey Robinson – Where There's Smoke...

Smokey Robinson – Where There's Smoke...

ミラクルズのリーダー、モータウン副社長、ソングライターとしてモータウンを支えてきたスモーキーロビンソン。70年代になるとミラクルズを辞めソロミュージシャンとしてクワイエットストームという新たなムーブメントを作ることになります。本作ではディスコ色が強く出ていますがシルキーなクワイエットストームサウンドは健在です。

メンバー
ネイザンワッツ、ラリーデイヴィス、チャックレイニー、バーナードリード:ベー

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Les McCann - Never A Dull Moment! Live From Coast To Coast(1966,1967)

Les McCann - Never A Dull Moment! Live From Coast To Coast(1966,1967)

本作はレスマッキャンの66年シアトルでのライブと67年ニューヨークでのライブをまとめたもの。構成的には2枚組のライブインシアトルと1枚組のライブインニューヨークをカップリングしたような感じ。生産は最近いい音源を多く発掘しているレゾナンスでここの会社らしい愛とリスペクトを感じる丁寧なつくりとなっています。ノラジョーンズがお気に入りとしてこの作品を紹介していたので欲しくなって購入しましたが2時間に渡っ

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Mulatu Astatke - Ethio Jazz

Mulatu Astatke - Ethio Jazz

エチオピア。コーヒー発祥の地であり、歴史的には古代に伝来したキリスト教が未だに信仰されているアフリカでは珍しい国です。レゲエ好きの方にはラスタ信仰で神格化されているハイレセラシエ一世が統治した国として知っているかもしれません。そんなエチオピアを代表するミュージシャンがムラトゥアスタトゥケ(アスタケ)。僕は彼のことは詳しくないので細かい解説はできませんがスピリチュアルかつファンキーなサウンドは知識が

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Melvin Jackson - Funky Skull(1969)

Melvin Jackson - Funky Skull(1969)

本作はサックス奏者エディハリスのベーシストだったメルヴィンジャクソンの唯一作です。彼はウッドベースを使いますがリーダーに触発されたのか本作ではアンプに各種エフェクターをつけて前衛的かつストレンジなサウンドを作っています。さらにバックにはチェスのセッションミュージシャンとアートアンサンブルオブシカゴのメンバーの共闘。ファンキーさと前衛さがいい具合にミックスされたこの時期のシカゴジャズらしい一枚です。

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Arnett Cobb - Chittlin' Shout(1971)

Arnett Cobb - Chittlin' Shout(1971)

ジャズ界にはテキサステナーという人がいます。彼らは皆テキサス出身でそのプレイはベンウェブスターやイリノイジャケー、ジーンアモンズから影響を受けており豪快でブルージー、バラードではメロディを美しく歌い上げるスタイルを得意とし、その演奏はテキサス出身でない人物にも影響を与えています。またその演奏はジャズだけにとどまらずブルース、ソウルやロックでもその演奏を聴けます。有名なテキサステナーは今回紹介するア

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George Benson - Tell It Like It IS(1969)

George Benson - Tell It Like It IS(1969)

ジョージベンソンのCTIでの二作目。タイトル通り当時ヒットしていたソウルのカバーが並んでいます。ファンキーなリズムはジョニーパチェーコらによるパーカッションがラテンフレイバーを添え、バラードナンバーではエコーがかかったジョージベンソンの温かみのあるボーカルが素晴らしい一枚です。アレンジャーのマーティシェラーはモンゴサンタマリアのバンドのピアニスト兼音楽監督。この時期モンゴはラテンにジャズやソウル、

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渡辺貞夫 - Recital(1976)

渡辺貞夫 - Recital(1976)

渡辺貞夫さんのイーストウィンド(以降EW)での最終作です。CBS及びEWでの一作目のパモジャまでは同時期のジャズファンク、スピリチュアルジャズと共鳴するようなアフリカ志向のモーダルジャズで、この後のフライングディスク時代ではフュージョンとスタイルがガラッと変わりますが、本作ではこの過渡期と言える作品です。メンバーや選曲はいままでの路線を踏襲していますが、モードジャズ由来の重さはなく軽快な響きはフュ

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