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Wes Montgomery - The Incredible Jazz Guitar(1960)
ウェスの名を一躍轟かせた一枚です。本作の録音は1960年1月26日と28日で、1月25日と27日にはナットアダレイのワークソングが録音されています。ただしメンバーは大きく異なりトミーフラナガンにヒース兄弟という数々の名盤を支えた3人が顔を揃えています。トミーはインタビューにてウェスをいつも腰が低く気を使っていた。オリジナルの譜面を持ってきていた。と語っていますが彼は楽譜が読めなかったのでおそらく気遣いから誰かに頼んで自作曲を譜面起こししてもらったのでしょう。彼の人柄が伺えるエピソードです。
メンバー
ウェスモンゴメリー:ギター
トミーフラナガン:ピアノ
アルバートヒース:ドラム
パーシーヒース:ベース
Airegin
ソニーロリンズの曲で親指でゴリゴリと弾き倒すプレイが圧巻です。続くトミーも彼らしいどこか気品のあるタッチでソロを継ぎます。そしてヒース兄弟のグルーヴィーなリズムも単にバッキングとして下支えする以上の熱のこもった演奏です。
D-natural Blues
打って変わってスローテンポのリラックスしたブルース。デビューアルバムでもみせたレイジーなブルースフィーリングがとても良いですが機材か弾き方が違うのかこちらの方がエッジのあるトーンになっています。
Polka Dots And Moonbeams
バラードナンバーでロマンティックで哀愁漂う演奏がたまらないです。ピアノにバトンタッチする直前にドラムがブラシになるところもとてもいいです
Four On Six
ほんのりラテン調のハードバップナンバーでウェスの代表曲です。タイトルは6本弦の上の4本指という意味らしいです。
West Coast Blues
ワルツナンバーでおおらかな演奏が印象的です。ウェスの独壇場で様々な奏法を繰り出すところは聴いていると涼しい顔で弾くウェスが目に浮かぶようで実にかっこいいです
In Your Own Sweet Way
物悲しいトーンのギターに胸を締め付けられるようなバラードナンバー。ウェスの哀愁あるトーンが凝縮されています。泣きそうなときに聞いてはいけません。
Mister Walker
ラテン調のミディアムナンバー。艶っぽくもラテン特有のミステリアスなフレーズに合わせたタッチ等芸達者な部分が凝縮されています。
Gone With The Wind
軽快なミディアムナンバー。難しいフレーズをサラっと弾いてしまうところ流石です