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アルバムレビュー

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レビューの少ないアルバム、好きなアルバムを自己満足でレビューしてます
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2024年1月の記事一覧

Wes Montgomery. Road song (1968)

Wes Montgomery. Road song (1968)

 CTIでの最終作は当時イージーリスニング界で人気のあったバロック調のアレンジをウェスの希望で導入しています。ただ個人的にはオーケストラが甘すぎるように思いCTI時代のウェスのレコードで一番最初に買ったものの一番聴いた回数は少ないです。イージーリスニング的にはこれでいいのかも知れませんがソロを増やすとかして刺激を加えた方がよかったかなと思ったりも。本作の録音から一ヶ月後ウェスは急死してしまいます。

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Gabor Szabo - Mucho

Gabor Szabo - Mucho

ボブジェイムズ企画番外編として初期のプロデュース作品である本作を紹介します。本作はエンジニアでCTIのほとんどのアルバムを手がけたルディヴァンゲルダーの名前がなく演奏するメンバーも西海岸を拠点にした人ばかりなのでおそらく西海岸で録音されたものと思われます。ガボールの個性的なギターとこの地のグルーヴはミスマッチなように思いますがそこはボブジェイムズ。しっかりまとめています。

ガボールザボ:ギター

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Bob James - 4 (1977)

Bob James - 4 (1977)

CTI最終作の本作はCTI時代の実験的なアレンジやファンク的なリズムを残しつつもこれ以降のスムースなサウンドやかっちりとしたビートも聞くことができます。(どっちかというと後者の比率高めです)個人的にはタッパンジー時代の作品やフォープレイは洗練されすぎていて好みではないのでこれが実質ボブジェイムズの最終作になっています。ジャケットはスタジオで適当に撮ったような顔写真にパワポでセンスない人が使いそうな

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Bob James - Three(1976)

Bob James - Three(1976)

本作はボブジェイムズ史上もっともファンキーといえる一枚です。ソウルミュージックへのアプローチは1作目からありましたが本作ではソウルの中でもファンクに焦点を絞ったアプローチをしています。さらにアイルランドやジャマイカ等いままでよりもグローバルな視点にたった選曲もあり最も興味深い一枚です。ジャケット裏にはクインシージョーンズ、メイナードファーガソンといったかつての師や共演したサラヴォーン、ロバータフラ

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Bob James - One (1974)

Bob James - One (1974)

ボブジェイムズのCTIでの記念すべきファーストアルバムです。もうすでにこちらで解説しているので詳細は省きますが3度目の正直であると同時に成功が約束されていたといってもいいくらい裏方としての名前を売ってきたのでヒットと後の成功は妥当と言えます。クラシック、ファンク、ジャズ、現代音楽と持てる才能を全て注ぎ込んだ一枚。どことなくミステリアスなサウンドや音圧の強いホーンアレンジも合間って彼のアルバムで一番

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Phoebe Snow. Second childhood (1976)

Phoebe Snow. Second childhood (1976)

全然知らない人の知らないレコードでしたがレコード屋で何故かジャケが気になって手に取り裏ジャケを見るとスティーブガッドやジョントロペイ、リチャードティー、ロンカーターなどの聞き馴染みのあるクレジットが。聴いてみるとフォークをジャズやソウルでコーティングした温もりのあるサウンドに夢中になってしまい今ではレコード屋で見つけたら多少予算オーバーしていても買ってしまうほど好きになってしまいました。

メンバ

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George Benson - Weekend in L.A(1978)

George Benson - Weekend in L.A(1978)

本作はタイトル通り1977年9月末から10月にLAはハリウッドにあるロキシーでのライブから良い演奏を選りすぐったアルバムです。LPでは2枚組でに渡ってスタジオ以上にアドリブ多め熱高めの演奏を披露しています。しかもバンドメンバーはブリージンの頃から変わらないので息もピッタリで各メンバーのソロも最高です。ちなみにこの長くフュージョンをやってきましたが本作の後はギターも弾けるブラコンシンガーに。一応マッ

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Labelle - Phoenix (1975)

Labelle - Phoenix (1975)

ニューオリンズで録音したレディママレードがヒットしたラベル。本作もまたアラントゥーサンのプロデュース、ミーターズがバックという編成なもののゲストミュージシャンも多く参加しており特に興味深いのが奇才ジェイムズブッカー。レイチャールズとショパンが一緒になったようといわれるスタイル、明らかにただ者でなさそうなルックス、天才系のミュージシャンにありがちな破滅的な人生とクセの強さが3つ揃ったミュージシャンで

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Herbei Mann - Memphis underground (1969)

Herbei Mann - Memphis underground (1969)

本作はリーダーのハービーや南部をソウル系のミュージシャンのソウルフルな演奏よりもサイケデリックに歪むラリーとノイズ発生器と化したソニーの2人による1969年だからできた演奏が聴きどころです。ソウル、ロック、ソウルジャズ、電化ジャズ、フリージャズが共存し混ざり合いイージーなところから一気にジャズのディープで前衛なところまで連れていかれてしまうある意味恐ろしいアルバムですがこのギリギリのバランスで成り

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Les McCann & Eddie Harris - Swiss Movement(1969)

Les McCann & Eddie Harris - Swiss Movement(1969)

 このコンサートは思いつきとアクシデントによってリハーサル含め全く共演したことがないミュージシャン同士の演奏になったものの結果として素晴らしい演奏が繰り広げられたという珍しい例です。会場はタイトルにもある通りスイスのモントルーフェスティバルでリズム隊はレスマッキャンのグループのメンバーだったものの肝心のレスは飛行機に乗り遅れてエアチェックにこない、エディハリスは打合せ時間もレスの演奏をほとんど聴い

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