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茶への道ー中国お稽古日記#2

 昨日8月9日(火)は火曜班のお稽古。朝10時からの午前班と午後13時半からの午後班のお稽古に行ってきた。午前班は4人しかお稽古に来れないということで、広いお稽古場を4人で掃除し準備をするのは大変なのだが、ちゃんと開始時間に間に合うように準備をしてくれていた。北京もコロナの影響で6月末まで稽古場が休み、7月もお子さんの学校などのことでなかなか来れず久しぶりにお稽古を再開したという会員さんがほとんどだったので、薄茶の運びと棚点前のお稽古が中心となった。
 運びもなかなかに難しい。お道具の場所をはかり、置いていく…簡単に見えることでも実際にやってみると難しい。棚の薄茶をした会員さんはそれでも何年かお稽古を続けているだけあって、久しぶりのお稽古でも手が動いていく。頭ではなく、体が覚えているということ。この感覚に入れるとお茶のお稽古が楽しくなっていくと思う。

 それでも薄茶のお稽古はスムーズに進み、12時半までの午前班のお稽古に少し時間的な余裕が出来た。お道具の取り合わせについて少し説明し、風炉の間に何をお稽古したらいいのかアドバイスもしてみた。
 日本の茶道は季節感を大事にするのだけど、どのように季節感をお道具や点前に反映したら分からない、とのことだった。特にこの8月。朝のお稽古始まりの挨拶で私が「8月、盛夏ではあるが、立秋がすぎたりすると季節の変化に気づくと思う。ことに京都では五山送り火が過ぎると秋の気配を朝夕に感じることができる。なので、盛夏から初秋に移り変わる8月の銘をご自分なりに考えてみて。」などと話したものだから、8月はどのようなお点前をしたらいいのかと思ったと思う。例年8月はお稽古が休みだったが、今年はコロナで炉の時期にほとんど稽古ができなかったため、8月は休まずにお稽古をすることになった。この機会に8月という夏から秋への変化を感じられる一か月を楽しみ、お稽古に反映させるのも楽しい試みだ。

 今日のお棚は鵬雲斎大宗匠好の平悠棚(写真がぶれぶれ💦)。北京同好会で新しく購入したものなのか、これまで稽古場にはなかった棚。天板と地板につく部分が雲板になった二本柱の棚で、天板と地板は爪紅(つまぐれ・板の切り落とし部分(外端)が朱漆で塗られている)になっている。調べると、「この棚は、平成の改元に因んで好まれたもので、天板と雲板のついた柱を側面から見ると、“平”の字になるように意匠されている。平成4年5月のお好みになる」とのこと。

 午後班は6名のお稽古なので、中国人講師と3人ずつ稽古をみた。私の方は濃茶の貴人清次のお稽古をみた。濃茶をご貴人とお供の分を点てるので、時間的な余裕がないとなかなかできないお点前。貴人とお供をする生徒さんたちも長時間座っていないといけないので、なかなかハードルが高い。私も久々にみた濃茶の清次だったので、とても楽しくお稽古ができたのだった。
 

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