子供たちと考える『天国と地獄の長いスプーン✨』
私はよく娘たちに「クイズ！」と称して、社会や心の問題についての道徳授業を勝手に行っています！！
娘たちの疑問や、私が『考えて欲しいな』と思ったことについて・・
自分で考え自分なりの答えを見つけて欲しい！
という親のエゴから始まりました。
一番最初に行った授業のテーマは環境問題！
地元で問題とされている、稲わら・もみ殻を燃やす『稲わら焼き』について。
子供たちは地球温暖化の怖さを知り、わらの活用性についてを考え・・
わら人形や草履、服、鞄などを作ればいい！
わらのワンピースいいんじゃない？→いや、良くないでしょ！笑
売れば収益になり、財政も良くなるよね！
などという、彼女たちなりのアイディア満載な答えを導いていました。
ある休みの日の朝。いつものように喧嘩が勃発！！
一人は一緒にゲームをやりたい！
一人は動画を見たい！
どちらも自分の主張を曲げようとしません。
それどころか、怒ってでも自分の気持ちを押し通そうとしています。
最近こんな喧嘩が多くなってきたな〜
成長過程で大事なことではあるけど、もう少し相手を思いやる気持ちを持って欲しい！
私の授業意欲に火がついた✨✨
今日のテーマは「天国と地獄のスプーン」
この話は、原典は不明とされていますが、仏教の「地獄と極楽の箸の話」が元になっているなどと言われていて、世界中で語り継がれています。
その土地によって箸がスプーンになっていたり、食べ物が違っていたりするらしい。
今回は自分が昔聞いた「天国と地獄のスプーン」の話として子供たちに話しました。
地獄の人たちは片手を椅子に縛られ、もう片方の手には長いスプーンを巻き付けられている。
テーブルの上には豪華な食事が並び、人々はみんなが同じようにテーブルを囲んでいる。
だがスプーンが長すぎるため、食事を口に運ぼうとしても上手く届かない。
食事が食べられない人々は痩せてしまい飢餓に苦しんでいる。
一方で天国の人も全く同じ状況でテーブルに座っている。
彼らは長いスプーンを上手に使い食事をして、みんなが幸せに暮らしている。
それはなぜでしょうか！？
というのが、今回のクイズ☆
ちなみに何が違うのかというと、天国では長いスプーンを使い、お互いに食事を食べさせ合っているのである。自分の事だけではなく、他人のことも考える…そうすると自分も幸せになれるという話である。
クイズが始まると早々に小学3年生が即答✨
「分かった！スプーンを短く持った」
6年生がすかさず
「縛られてるんだから無理でしょ」
すると3年生は
「あ、そうだよね…」
「じゃ、テーブルからめーっちゃ離れた？でも届かないよね〜」
「口で食べた！…あ、ラーメンは無理か」
「ドラえもんのスモールライト！」
「足使えるんじゃない？？」
さすが3年生。色々な視点がありますね！
そんな中、6年生が言いました。
「みんなで協力し合ってるんじゃない？」
さすがは最高学年！！
では具体的にどのように協力し合っているのか？と聞いてみると・・・
「う～ん・・・」
と考え込んでしまう始末💦
その後も珍回答が続々登場！！
なかなか「食べさせ合う」という発想が出なかったので、一旦視点を変えてみました。
「なぜ地獄の人たちは誰も食べられなかったのか」
「お腹が空いているのに食べられない時にはどんな気持ちになるか」
という視点で考えてもらいます。
「自分の事しか考えてない」
「自分がよければいいという考えだった」
「食事を独り占めしようとした」
うん、良い感じ✨あと一息！
「お腹が空いてるとイライラする」
「イライラすると人に当たりたくなるよね」
「どんどん自分勝手になっていくよね」
etc・・・たくさんの意見がっ！！
そんなことを繰り返す中、ついに6年生が言いました！
「分かった！遠くの人に食べさせてあげればいいんだ！！」
自分の思い通りにならない、やりたいことが出来ない状況があります。
そういう時に人は、苦しみから逃れようと必死にもがき、どうにかしようとする・・いわゆる「飢餓」に似た状態ですね。
そんな状況が続くと人は不満、恨み、妬み、愚痴などを口にします。
現代は「相手を思いやる」ことで自分が傷つくことが、たくさんあるような世の中。
でもみんなが、あと少しずつでもその気持ちを持っていたら・・・
もう少し生きやすい世の中になるのではないかなと思います✨
せめて自分の子供たちにはそんな風に育ってほしい。
そして「相手を思う」ことが自分の幸せに繋がるということを、いつか感じて欲しい。
そんな思いを込めて、今後もこのなんちゃって授業を続けていきたいです！笑
その後、娘たちは再び一緒に遊び出しました。
お互いがやりたいものを順番でやり、二人で時間を決め、時には相手の意見を尊重しながら…
と言っている側から、今にも喧嘩が始まる予感💦💦笑
それでも
「お互いに食べさせてあげる」
という考えにたどり着いた彼女たちなら、きっといつかそれぞれの答えを見つけていけると信じたいです✨