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生誕120年 安井仲治 YASUI NAKAJI: PHOTOGRAPHS/愛知県美術館【感想】【展覧会】
愛知県美術館にて開催中
【生誕120年 安井仲治YASUI NAKAJI: PHOTOGRAPHS】
開催期間:2023年10月6日(金)~11月27日(月)
ステートメント、公式HPより拝借!
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日本の写真史において傑出した存在であった安井仲治(1903-1942)。10代でカメラと出会った安井は、20代半ばには関西の写真シーンで一目置かれる存在となりました。そして38歳の若さで病没するまで、旺盛な創作意欲をもって極めて多くの写真の技法、スタイルに取り組みました。また、1920₋40年代という彼の活動時期は、都市文化が華やかに発展する一方で、国全体が長期にわたる戦争へとなだれ込む時代でもありました。そのさなかにあって安井は、変わり行く都会の風景や、そこに生きる人々、さらには不穏な世相をも身近な事物に託して、繊細に写し出していきました。本展は、戦災を免れたヴィンテージプリントとネガの調査をもとに安井の活動をより実証的な形で描き出し、約200点の出展作品を通じて展覧するものです。本展が安井の評価をさらに高める機会となればと考えています。
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という訳で、愛知県美術館へGo!
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一部を除いて撮影OKの会場内。お邪魔したのは平日でしたが、、、お世辞にも混んでいる展覧会、とは言い難い会場内でした。ちょろちょろと数人は居ましたが。。。
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![](https://assets.st-note.com/img/1700239990239-YhblhOQC60.jpg?width=1200)
では、展示内容をチラ見せ。フィルムをやってる人にとっては当たり前ですが、コンタクトプリント(ベタ焼き)っつーものを焼くんですよ。
一応書いておくと、印画紙に直接ネガを載せて、その上にガラス板なんかを置いて直接焼き付けるモノ。
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プロフェッショナルのモノはもうそれだけで価値があるんです。写真家集団「マグナム」のコンタクトプリントのみの写真集とか出てたような記憶。
テスト撮影やミスショット、歩きながらの連写、良い被写体を見つけた時の焦り、どんな思いの距離感で被写体に接したかの試行錯誤などなど、漏れなく載ってしまう嬉し恥ずかしコンタクトプリント。
うちにも在学中のヘタクソなモノが何十枚もあったけど、引っ越しでたぶんほとんど捨てた。タイムマシンで未来に行って「宮田雄平記念館」が出来るのを見てきてたらラミネート加工して永久保存版にしといたけどね笑
「(前略)写真として正しいかどうかは今以つて判らないが、何しろ興味ある所に向つてボタンを一つ押せば写るのである」
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これはスナップ道を歩むための唯一の答えといっても良いのではなかろうか。写真としては正しいかどうか分らんけど、気になったもの、興味あるものに、瞬間的にレンズを向けて、シャッターを切る。それが正解。ただそれだけ。
「いま人気のあの写真っぽく撮れば」「バエそうかな」「いいね貰えそうかな」とかのヨコシマな気持ち、そんなのホントどうでも良い(笑)。
こんな写真が正しいかどうかなんて知らん。でも気になったから撮る。撮ったらもう正解なんだと思う。
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![](https://assets.st-note.com/img/1700295921314-5eZEhly8th.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1700296759009-feh3ub5xv5.jpg?width=1200)
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それにしても、、、先を進んでも、どこを観ていても、誰もいない(笑)。いやまぁ、ゆっくり・じっくり観られて良いんだけど、、、さすがにちょっと寂しいよなぁ。
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ナゴヤはまだマシなんだろうけど、地方都市は渋い展覧会がなかなか巡回しない。
印象派も良い。ピカソやゴッホやフェルメールのような人気のあるビッグネームも勿論良い。一時期、名古屋で連発していた浮世絵も良いんです。それももちろん良いんだけど、アートってそれだけじゃないよなぁ、って。
アートは点も楽しいけど、線でも楽しんでほしい。
「○○とその周辺」みたいな展覧会も勿論良いんだけど、でもさらにもうちょっとだけ線にしてみるとまたさらに面白くなる。
以前、画家でありアートスクール主宰の三杉レンジ先生を取材撮影した際、ちょっとだけのプチ講座を開いて下さった。ラスコーの壁画などから始まる人類のアート史。
それまで点で観ていたモノが自分の中で全然繋がっていなかったんだけど、歴史の流れや個々の関係性をちょっと聞いただけで一気に線になり、腑に落ちて、気持ち良かった。。。
![](https://assets.st-note.com/img/1700300318554-NxKORwlgnP.jpg?width=1200)
安井さんも通った道である「シュルレアリスム」というムーブメント周辺を眺めるだけでも面白い。詩からスタートし、やがて絵画や彫刻、写真などへ連綿と続く流れ。
僕はマン・レイから入ったクチですが、その点を中心にして周辺を見渡すだけでも面白い。「ああ、この人はこの辺りであの人に影響を受けて傾倒して行ったのか。だからその過程の作風はこうなのか」とか。
なので、世間的にネームバリューのない写真家の作品だって観て欲しいっすよね。
マン・レイだって、写真や映像をやってる人以外にはネームバリューはほとんど無い。でも写真界では、「マン・レイ以前、マン・レイ以後」といわれるくらいなので、もし次、お近くで展覧会があれば是非!
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さて、愛知県美術館に話を戻すと、、、同時に会場に居た人数で言うと、、、10人もいなかった。7~8人ってとこかな。おそらく、写真専門学校の子もいた。展覧会を観ての感想の課題提出でもあるのだろう。ノートとペンを持ちながら物凄い勢いで駆け抜けていった笑
展示の観方は人それぞれだから否定的な意見は書きたくないけど、さすがに倍速観覧はちょっと違うと思うぞ!笑
(……でも、学生時代の自分も時間がなかったら多分やっていたと思う笑)
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という訳で、愛知県美術館にて
【生誕120年 安井仲治YASUI NAKAJI: PHOTOGRAPHS】
開催期間:2023年10月6日(金)~11月27日(月)
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![宮田雄平/カメラマン](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/9207854/profile_24e335f1db9941c1ad7764862cf1e139.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)