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神宮球場に棲む愛しき鳥よ

ヤクルトスワローズの元気がいい。4月27日現在、2位だって。ひょっとしたら今年はAクラスかもよ?

といっても、昨年も一昨年も開幕当初は「いけるんじゃね?」と思わせといて、1〜2ヶ月後にはあれよあれよと言う間に急降下していたような気もするので、ポジれるときにポジっとくのが、よく訓練されたヤクルトスワローズファンの姿であります。

「つばめ刑事」というドラマがある。

一昨年、神宮球場のビジョンで予告CMが頻繁に流されていて、そのたびに山田哲人選手の「グローブが盗まれました(棒)」でニヤニヤしちゃったアレだ。

東京ヤクルトスワローズの創立50周年と、球団マスコット・つば九郎のデビュー25周年記念して制作された「つばめ刑事」は、現在Amazon prime videoで見ることができる。

このドラマ、ヨーロッパ企画諏訪雅さんが監督、石田剛太さんが脚本、キャストにも石田さんと土佐和成さんが名を連ねていて、スワローズファンじゃないけど演劇は好きという人に「ヨーロッパ企画ならば、面白い」と太鼓判を押された。

前代未聞のプロ野球球団マスコット主演とはどんなもんだ。

主演のつば九郎はフリップだけで会話が成立。
棒演技は山田選手のみならず、選手みんな棒。
選手の野球シーンは一切出てこない。
謎の中日ドラゴンズリスペクトに「おわりのきょしょう」ゲスト出演。
ところどころ、俳優さんたち素のファン化。

ドラマはほぼすべて、ヤクルトスワローズの本拠地である神宮球場ロケ。だから、グラウンドに、ベンチにスタンド、コンコースに売店、鳥小屋(つば九郎の棲家)に選手ロッカー、室内練習場...。そして、アナウンス室やあの荒木トンネルまでしっかり登場する。

正直、ストーリーなんて、どんなんだって楽しめた。

それよりも、ここには大好きなチームが躍動して私を楽しませてくれる神宮球場がある。ボロだけど、狭いけど、地味だけど、誠実でおおらかで美しい大好きなこの場所がおちゃらけたドラマに「ぷりたつ」につまってた。

神宮球場に棲むつば九郎が、ドラマの中でやりたい放題する姿を見て、胸がきゅーっと締め付けられるような気持ちになった。

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神宮球場は今日からまた無観客試合だ。

私が一番最近神宮球場に行ったのは、一昨年のペナントレース最終戦。ジャイアンツ相手に、太田選手のヒットでサヨナラ勝ちした試合。昨年は神宮球場の門をくぐることは一度もかなわなかった。そして、今年、GWに久しぶりに訪れるはずだった予定も緊急事態宣言により、消えてしまった。

なにごともなく「普通に」野球を観ることができていたら、「つばめ刑事」で、こんな気持になったりはしなかったかもしれない。

ああ、神宮球場が恋しい。野球が恋しい。スワローズが恋しい。

畜生でメタボで共食い上等な鳥、でも選手とファン思いの世界で一番素敵なマスコットに会いに行きたい。

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