【読書録】『横道世之介』『おかえり横道世之介』吉田 修一 ・著
毎春、桜の季節には四ツ谷、市ヶ谷、飯田橋沿いの外堀公園を散歩する。ここの桜に、また今年も綺麗に咲いたねって挨拶をしないとなんだか落ち着かない。
あいにくの雨で寒かったけれど市ヶ谷界隈では吉田修一さんの出身校である法政大学がこの日、入学式だったようだ。立派な高層ビルが建つ校舎の入り口にはスーツを着た新入生達の姿があった。
横道世之介もきっと法政の学生だった。世之介の居た時代はこんなスタイリッシュな高層ビルはまだなく、暗く古めかしい校舎が密集していた。私も数年遅れて受験しに行