全員参加で感受性を磨く (vol 224)
全員参加の改善
日本の工場ではよく聞く言葉です。一方で海外では、まだまだ、全員参加の考えが根付いているとは言えません。
現場で作業するチームメンバー(TM) は設備を廻すことが仕事、その他の機能には関わらない。「私の仕事じゃない」と思っている人が少なくありません。
カナダ拠点に来て、アジア以上にその傾向を強く感じました。
「私には関係ない(It’s not my business)」の返事も数度ではありません。
だからと言って、工場を良くしよう、との思いがない訳ではないのです。
いきなり「改善」にはいかずとも、「なんか、変」で設備を止めるだけなら誰でも受け入れ可能。 だから、まずは小さな一歩から。
この一歩を「全員で」踏み出すにはどうしよう。
やはり、日本人の拠点長だけの声掛けでは力不足。現地のマネジャー達が金太郎飴になって、現場のTMをその気にさせることが不可欠です。
では、マネジャーやリーダーはどうか?。
「問題を見つけて正すのは自分たちの仕事、現場のTMじゃない」
「あちゃ〜」
上司が現場のTMの行動に期待せず、逆に制限していては先に進めないでしょう。
不良かどうかの判断はしなくてもいい。まずは「なんか、変」を
・見つけてくれる
・教えてくれる
・放置しないで止めてくれる
第一歩としてこれだけをお願いしよう。直すのはそれぞれの役職、役割を持ったメンバーが対応すればいい。でも
異常を見つける「センサーの感度を上げる」
工場としてのセンサーを強化するとは、
そこで働くTM全員のセンシング能力、すなわち、感受性を上げること。
日本人だけでなく、ナショナルスタッフの工場長、主任、リーダーが、
TMに助けや協力を求める
「みんなで良くしよう」を口にする
ようになれば、「全員参加」の感受性強化が始まるはず。。。
「こんなの見つけたら、誰だってダメだって判るやろ~」と叱ってはダメ。
「次に見つけたら教えてよね。設備止めてくれていいから」を繰り返す。
見逃したことを責めるのではなく、何か見つけてくれた事に感謝する。
「やり方が甘い」と言う人もいるでしょう。でも、私はこのやり方を選んできました。これからも、このスタイルの基本は変わらないだろうと思います。
「工場をよくしよう」全員が心の底に持っている気持ちをを呼び起こす。
指示としての実践ではなく、
「あなたを信じているからね」を伝えること。
「あなたも貢献しているよ」を受止めてもらえること。
ルールとしてではなく、感謝で「貢献したい」を引き出す。
小さな違い、小さな感謝が、工場全体の雰囲気、環境を変えます。
一体感の醸成は、現場のTM一人ひとりの気持ちを引き出すことが出発点。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。