円背・猫背姿勢を下半身から改善する。もも裏と臀部の2ヵ所を効率的にストレッチ・リリースする方法
円背(えんばい)は背中が丸くなった姿勢を指します。いわゆる「猫背」ですね。通常、加齢による骨粗鬆症や筋力低下が原因で見られる現象ですが、デスクワーク主体で働いていたりスマホを長時間見たりしている若年層の方々が増えるにつれ、この姿勢は顕著に見られるようになりました。
今回解説していくのは、この円背姿勢を改善するためのアプローチです。姿勢改善のアプローチ方法はいくつも種類があるのですが、その中でも今回は下肢=ハムストリングスと殿筋群にフォーカスした方法を紹介しようと思います。
円背とハムストリングス・臀筋群との関係
円背=主に上半身の姿勢の問題なのになぜ下半身にアプローチするのかという疑問ですが、これには円背とハムストリングス・円背の相互作用が関係しています。
まず、円背姿勢では脊柱の後弯が増大し、骨盤が後傾気味になります。骨盤後傾位になると大殿筋が短縮位になり、効率的に働きにくくなります。これはハムストリングスも同様です。
実際、円背姿勢で背中が丸まっていたり肩がすくんだような姿勢になっていたりする人は、もも裏やお尻が硬くなりがちです。また、こうした姿勢はデッドリフト時の腰部の負傷リスクが非常に高いとされています。
そのため、姿勢やトレーニングフォームの改善の一環として、まずはもも裏=ハムストリングスとお尻=殿筋群のストレッチが非常に有効なのです。
オーソドックスなハムストリングスのストレッチ&リリース
まずはオーソドックスなハムストリングスへのアプローチを紹介します。クライアントを仰臥位にして、その状態から足を持ち上げましょう。
ちなみに、今回のモデルさんは非常に柔軟性が高いため、ものすごく可動域が広いです。実際のクライアントさんは、ここまで開脚しようとすると大変な痛みを伴うと思うので注意してください(笑)。おそらく、ほとんどのクライアントは下の画像でストップすると思います。
まず、画像の状態でハムストリングスが伸びている状態を作ります。その後、ハムストリングスを起始部から停止部にかけて圧迫していきましょう。起始部はやや際どい部位でもあるので、男性クライアントが女性クライアントに施術する場合は、膝などを使うことを推奨します。
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