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改めて食塩を考える。運動・筋トレに与える影響と減塩するためのポイント
和食は健康的な食事の代表格。そう言われてずいぶん経ちますが、最近では「和食(というか日本の食事全般)は塩分過多」という点で、あまり健康的ではないという意見もよく見るようになりました。
そんな塩分=食塩との付き合い方を改めて考えたいと思います。
食塩と健康リスクについて
食塩は科学的に表すとNaCl、つまりナトリウムと塩素によって構成されています。加工食品などの成分表を見ると「食塩」とは書いておらず、「ナトリウム」と表記されています。この成分量をそのまま「食塩量」と計算するのではなく、ナトリウムの場合は記載量を「2.5倍」することで、おおよその食塩量を計算できます。もしも0.5gと記載されているのなら、食塩相当量は1.25gとなるわけですね。
日本人の食塩の平均摂取量は、1日あたり10g程度だと言われています。1970年代は毎日14g程度の食塩が摂取されていたので、摂取量は低下気味だと言えますね。昨今では減塩が叫ばれるようになり、減塩醤油をはじめとした減塩調味料などがスーパーで多く並ぶようになりました。
塩は食べ物の保存に向いており、日本では漬物とか梅干しなどに多くの塩が使われてきました。現在は冷蔵庫など食料の保存技術が発達したため、自然と日本人の食塩摂取量も減ってきたのだと思います。
この食塩ですが、日本や世界各国では推奨摂取量が異なります。各地域の平均摂取量や推奨摂取量をまとめるとこんな感じです。
世界保健機関(WHO)の推奨
WHOは心血管疾患のリスクを減少させるため、成人が1日あたり5グラム未満の塩分を摂取することを推奨しています。
ヨーロッパ地域
ヨーロッパの多くの国では、平均的な塩分摂取量がWHOの推奨基準を超えています。例えば、フィンランドでは9g、フランスでは11g、イタリアでは10gが一般的です。
アメリカ大陸
汎米保健機構(PAHO)は、2020年までに1日5グラム未満の塩分摂取を達成することを目標に掲げています。一般的な摂取量は、ブラジルでは11g、アルゼンチンでは12g、チリでは9gです。
南アジア
南アジアの国々では、塩分摂取量が6.7〜13.3グラムの範囲にあります。バングラデシュやインドでは比較的低い摂取量が報告されていますが、ネパールでは非常に高い摂取量が見られます。
北アメリカ
アメリカとカナダでは、加工食品からの塩分摂取が主要な源となっています。アメリカでは1日8.7gの塩分摂取が一般的です。
こうして見ると、現在の日本人の食塩摂取量はWHOの基準の約2倍ということになります。他国と比較すると、平均値かやや上といった感じです。
現在、食塩摂取量を減らそうという動きが起きている背景には、食塩摂取がさまざまな病気リスクと関連があるからです。
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