よく身体をぶつける人・つまずく人必見。空間認識とぶつかりやすさの関係と改善エクササイズ
日常的に「壁などに肘や脚をぶつけてしまう」「何もない地面でつまずくことが多い」といった悩みを抱えていませんか?それはもしかすると、自分の自分の身体が空間のどこに位置して、どの方向に動こうとしているのかを脳が把握できていないこと原因かもしれません。
今回は、そんな「自分の身体を正確に把握しきれていないのかもしれない」という問題の原因を知り、それを改善するための方法を解説します。
空間や身体の認知で深く関わる「頭頂葉」
人々がよく物にぶつかってしまう、つまずいてしまうというのは、いったいどのような状態を指すのでしょうか? これを人体ではなく「猫のヒゲ」で説明したいと思います。
猫のヒゲというのは、神経とつながっているという特徴があります。そして、ヒゲから得られる感覚刺激情報は、猫の空間把握能力や平衡感覚に深く関係しているそうです。狭い通路や障害物が多い場所でも、猫はスイスイと難なく通れます。それは、障害物や通路の壁にヒゲが触れつつ、この場所を自分が通れるのかを判断しているからです。
もしも、猫のヒゲがなんらかの理由で短くなるとどうなるのか? ヒゲによって得られる情報に誤差が生まれ、壁や障害物にぶつかったり、歩くときにふらついたりしてしまいます。
人間にとって、外部からの感覚刺激を受け取るのは皮膚であり、その情報を受信・統合して「こう動きなさい」と指示を出すのが脳です。そして、体性感覚、視覚、聴覚などの情報を統合・認知して空間認知に大きく関わっているのが「頭頂葉」です。
頭頂葉がうまく働かないと、「空間認知の消失あるいは低下」といったトラブルが発生しやすくなります。わかりやすく言えば、目や耳、皮膚などから得られる情報をうまく整理できず、自分の運動を統合処理できなくなるということです。結果、曲がり角に身体をぶつけてしまったり、段差につまずいて転びそうになってしまいます。
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Brain Special Magazine
運動指導者の方へ向けて「脳」について理解し、パフォーマンスを高め機能改善などを行えるように学べるコンテンツです。
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