筋肉の大事さに気づこう。健康な毎日を送るために知っておきたい「MFR(筋肉対脂肪比)」という考え方
ダイエットやボディメイクをしている人は、そうではない人より頻繁に自分の体重・体脂肪率をチェックしていると思います。健康度合いを測るためによく用いられているのはBMIですが、体重と身長だけで測るこの指標は、筋肉量の多い人は「肥満」と判断されがちです。ちょっと悲しい…。
今日紹介したいのは、MFR(Muscle-to-Fat Ratio)という指標です。日本語では「筋肉対脂肪比」となり、文字の通り筋肉量と体脂肪量の比率を表します。MFRは身体組成の指標とされていて、MFRの低下は加齢や病気による筋肉量の減少、または運動不足や栄養失調による筋肉量の低下を示すことがあります。
指標という割に、MFRは年齢、性別、出身地、遺伝的要因など多くの要素がはらむため、明確に「正常値はここからここまで」という値が示されていません。一般的には、高いMFRは健康にいい影響があり、低いMFRは慢性疾患や健康リスクが増加することが知られています。
MFRの計算方法「筋肉量÷体脂肪量」
MFRの計算方法はとても単純で、筋肉量÷体脂肪量です。体脂肪量は体組成計に乗ってみて、体脂肪率を算出すれば計算できます。筋肉量を調べるのはすごく大変ですが、一般的に「除脂肪量(体重-体脂肪量)の半分」が筋肉量だと言われています(残りの半分は骨や内臓など)。
ここで試しに、20歳で身長160cm、体重50kgの女性について、体脂肪率15%、20%、25%でのMFRをそれぞれ算出してみましょう。体脂肪量と筋肉量は、先に話した計算方法で求めます。
・体脂肪量=体重×体脂肪率
・筋肉量=(体重 - 体脂肪量) ÷ 2
体脂肪率が15%の場合
体脂肪量=50 × 0.15=7.5kg
筋肉量=(50 - 7.5) ÷ 2=21.25kg
MFR=21.25 ÷ 7.5=2.83体脂肪率が20%の場合
体脂肪量=50 × 0.2=10kg
筋肉量=(50 - 10) ÷ 2=20kg
MFR=20 ÷ 10=2体脂肪率が25%の場合
体脂肪量=50 × 0.25=12.5kg
筋肉量=(50 - 12.5) ÷ 2=18.75kg
MFR=18.75 ÷ 12.5=1.5
同じ体重の女性でも、体脂肪率が10%変わるとMFRは1以上変動します。ちなみに、家庭用の体組成計は身体のコンディション(水分量など)で体脂肪率が結構変動するので、正確に計算したい人は数日体組成計に乗って、算出された体組成率の平均値などを使ってみてください。筋肉量も加齢によって変動するので、この数字はあくまで目安として考えましょう。
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