混沌戦記ー斯くして少年は世界を救う英雄とならんー 第3話「迫り来る脅威」
前エピソード:第7臨時基地
https://note.com/miyaginothomas/n/nccf2ef23ac49
S1.運転免許センターと自動車販売店
『A県警察 運転免許センター』と書かれたプレートのある運転免許センターと向い側にある『NOTE自動車販売店』と言う看板の自動車販売店(販売店に略)。
駐輪場のある広い駐車場、正面入り口のある四階建ての建物、左側に教習所、フェンスと複数の鉄のフェンスゲートのある運転免許センター(センターに略)。駐車場に複数の車が停車。
店舗の前に自動車、昇りの旗、ゲート、フラワーアーチ、平屋の事務所がある販売店。販売店には、綾音、播磨の普通科第6小隊と即機連第5小隊がいる。
現在、センターの駐車場で、別動隊の英汰と4人の隊員が、騎兵や兵士達と戦闘中。
S2.自動車販売店。
販売店の前。
綾音「パトロール隊遅れを取るな! 」
綾音が小銃を立ち撃ちで撃つ。
センター側の兵士達が、銃弾を盾で防御。
隊員8「擲弾発射! 」
一瞬の隙を突いて、隊員達が小銃に擲弾を装着して、兵士達に、一斉に発射する。
擲弾が、盾に被弾し、爆発。
センター側の生き残った長弓兵が、販売店の綾音達に、矢を向ける。
長弓兵「!? 」
長弓兵士一人が、銃弾が被弾し倒れる。次々と、銃弾が被弾して、倒れていく長弓兵達。
播磨「狙撃銃を持って来て、正解だったな」
販売店で、狙撃銃を構えながら言う。
S3.運転免許センター
センターの駐車場。
センターの駐車場で、英汰達が、横一列で騎兵と兵士達と戦闘中。
英汰「掛かって来い! 」
小銃を撃つ。被弾して、倒れる騎兵。
隊員9「英汰! 敵が予想以上に多い! 」
右脇の隊員が叫ぶ。
英汰「それは、初めから、計算済みだぜ! 」
鋭い眼光で、小銃を撃つ。
次々と来る騎兵達を小銃で撃ち倒して行く。
英汰「手榴弾用意! 前進するぞ! 」
迫り来る騎兵達を見ながら、グリップを強く握り言う。
隊員9「了解! 」
冷静な表情で返答。
隊員9、手榴弾用弾薬のうから、手榴弾を取り出し、安全ピンを抜き、騎兵達に向って、手榴弾を投げる。
爆発する手榴弾。
爆発後、小銃を構えながら、前進する英汰達。
その姿を見て、後退する帝国軍兵士達。
S4.自動車販売店
販売店。
播磨「英汰」
狙撃銃を構えながら言う。
綾音「パトロール隊! 前進! 」
部下達に叫ぶ。
隊員達「了解! 」
S5.運転免許センター
センター。
センターに突入するパトロール隊、第6小隊の隊員達。
センターにて、英汰、播磨、綾音達の同時一斉射撃。
被弾し倒れる騎兵、兵士達。
播磨「此処の帝国の指揮官はどこだ!? 生死を問わず、此奴を何とかすれば戦闘は終わるぞ! 」
狙撃銃を構えながら、周囲を見渡す。
英汰「? 」
正面玄関から、数名の兵士に護衛された鎧の騎士が登場。
英汰「彼奴は! 」
英汰の鋭い目のアップ。
英汰「皆! 今出て来た騎士を確保しろ! 」
叫ぶ。振り向く隊員達。
前進する英汰。
英汰、目の前に立塞がる騎兵達を小銃の立ち撃ちで、素早く倒す。
綾音「彼を取り押えろ! 」
部下達に叫ぶ。隊員達も前進。
英汰「逃しはしないぜ! 」
小銃を構える英汰のアップ。
騎士「!? 」
焦る騎士。
英汰「もう少しだ! 」
英汰の顔のアップ。
英汰達「!? 」
突如、教習所の方向から、帝国の魔法の大型の移動用ゲート「フェンスタ―(ゲートに略)」が出現。
播磨「フェンスタ―か! ロバスト帝国の魔法の移動ポータルだ! 」
額に汗。
綾音「帝国の増援が来る! 皆、警戒を怠るな! 」
隊員達に言いきかず。
ゲートから、前方に二名の魔法兵士と後方に魔法兵士の隊長(隊長に略)が出現。二名の魔法兵士が、フード付きケープローブを着用し、長い木の杖を持ち、ロングブーツを履いている。
隊長は、長い木の杖、フード付きケープローブをしているが、フードはしていない。四白眼で、高い鼻で、短く刈り込んだ髪型の隊長。
英汰「アイツらは!? 」
額に汗。
播磨「魔法兵士! 」
狙撃銃を構えながら叫ぶ。
浮遊して、騎士に接近する魔法兵士達。
隊長「アインラーデン」
騎士に向かって叫ぶ。騎士に向かって、隊長の眼が光る。
先程のロバスト帝国軍・作戦室の出来事がモンタージュで登場。騎士の頭部に直接伝わって来る。
隊長、杖をゲートの方向に動かして、騎士について来る様に促す。
騎士も、隊長と歩き始める。
隊員10「待て! 」
隊長に銃を向ける。
英汰「イカン! 」
隊員を制する。
振り向く隊長。
隊員10、騎士達に小銃を撃つ。
前方の二名の魔法兵士が円形のバリアで銃弾を防御。
隊長、杖を動かし、隊員10と英汰達の方向に向かって、魔法の力で停車している車を浮上させて、英汰達の方向へ投げる。
英汰「回避! 」
英汰達左右に分かれて、車の衝突を回避。車、フェンスを突き破る。
英汰「! 」
急いで、小銃を構える
英汰と隊長の目のアップ。
播磨「大丈夫か!? 」
播磨が合流。
英汰「バンさん、スンマセン! 」
小銃を構えながら言う。
播磨「今の奴の攻撃は威嚇だ! 本気なら、お前等命は無かったぞ! 」
狙撃銃を構える。
隊長達が、ゲートへ去る。生き残った騎兵や兵士達も、急いでゲートに行こうとする。
騎兵達の目前で、ゲートが閉まる
播磨「まだ、戦闘は続くぞ」
騎兵達を見ながら、英汰達に言う。
英汰「了解! 」
小銃を構えながら言う。
騎兵「! 」
騎兵が、叫びながら、槍を両手で握る。そして、英汰達の方向を振り向く。
生き残った騎兵達が、英汰達に向かって攻撃を開始。
英汰「撃て! 」
立ち撃ちで、小銃を撃つ。
播磨、綾音達も、其々の銃で騎兵達を撃つ。
S6.ロバスト帝国軍・広場
石畳の広場。広場の周囲には、帝国の宿舎等の施設が建っている。
広場の前方に戦闘形態のスタイケルいる。サーコート、ショース(鎖股引に略)、コイフとホ―バーク(鉄帷子に略)を装備し、手にはブロードソード(剣に略)を持つスタイケル。後ろには、リスティヒ、魔法兵士の隊長、鎧を着た騎士団の団長、重装騎兵の団長(装備は騎兵と同じ)がいる。スタイケルの前には、先導隊の隊長のアインラーデンが膝待突いている。長髪で、目が一重、ガナッシュを着ているアインラーデン。
スタイケル「アインラーデン、どういう事だ? 」
睨み付ける様に言う。
アインラーデン「と言いますと!? 」
脅える。
スタイケル「貴様は、帝国軍日本の東京攻略の先導隊の長として、先に東京に到着する筈だった。だが何故、あの場所で立ち往生していた! 」
先刻の免許センターの戦闘。
アインラーデン「あの地域の軍隊の力は強く、先導隊も苦戦していました。そこで、帝国攻略隊の力を借り、上洛の機会を伺っていました! 」
両手を組んで、祈る様に言う。
リスティヒが、その様子を、冷やかな表情で見る。
スタイケル「他の先導隊の兵士はどうした? 」
鋭い眼光で見る。
アインラーデン「私達先導隊本隊が、全滅した時の備えです! あの地区は激戦区故、先導隊を分散して、東京を目指しました!」
命乞いをする様に言う。
スタイケル「分かった」
目を閉じる。
アインラーデン「有難うございます」
額に汗。
スタイケル「アインラーデン、一つだけ言っておく」
剣を鞘から、少し抜く。
アインラーデン「ハイ? 」
首を傾げる。
スタイケル「日本の軍隊は自衛隊だ! 」
アインラーデンを一振りで、剣で斬る。アインラーデンの身体から鮮血が飛び散る。
倒れるアインラーデン。
スタイケル「我がロバスト帝国に失敗は許されない! 」
剣を鞘に納める。
スタイケル「亡骸を片付けろ」
兵士1「かしこまりました! 」
兵士達亡骸を片付ける。
スタイケル「リスティヒ! 行軍を決行だ! 」
叫ぶ。
リスティヒ「御意」
冷やかな笑み。
S7.ロバスト帝国・郊外
本拠地の郊外。野原が広がる。
野原に、大量の帝国軍が集結。一列に並んだ兵士や騎兵、弓兵達が幾重にもいる。また、馬上の騎士達が出撃を待機。
スタイケル「準備は出来たな」
グレートへレム(大兜に略)を持ったスタイケルが出現。
騎士団長「号令を、スタイケル様」
騎士団の団長が駆け寄る。
スタイケル「有無」
頷く。
スタイケル、大兜を装着。
スタイケル「ロバスト帝国軍日本攻略本隊! 是より、行軍を開始する! 」
叫ぶ。
多量の兵士達が、行軍を待機。
兵士達の前に、フード付きケープを着た二名の魔法術士が、木の杖を大きく掲げる。
そして、大型の移動用ゲートが出現。ゲートの向こう側には、日本の都市。
ゲートの先の都市を見る多量の兵士達。
S8.公民館・事務室
事務室。英汰、播磨、綾音達が帰って来る。
長船「お帰りなさい! 」
立って敬礼、英汰達を労う。
綾音「ただいま戻りました! パトロール隊、第6小隊も全員無事です! 」
敬礼。
播磨「まさかの伏兵が出ていましたが」
回想・魔法兵士。
英汰「彼奴らとは、決着は付けなきゃ! 」
拳を握る。
長船「まあ、血気盛んになるな」
両手を前に出して、落ち着かせる。
英汰「長船一尉、すいませんでした! 」
姿勢を正して謝る。
長船「否、大丈夫だ」
笑顔で言う。
長船「朗報がある。県民のシェルター避難が完了した」
周囲の全員に言う様に話す。
綾音「本当ですか? 」
真剣な表情で聞く。
長船「厳密には、県庁、役所と役場、警察、消防署、病院、各種施設の従事者以外だ。我々が、基地に出来るのも、そう言う訳だ」
綾音「有事に、此処を避難所に出来ませんからね」
下を向きながら言う。
英汰「良かったな・・・」
脳裏に、序盤に登場した子供達が浮かぶ。
播磨「と言う事は、陸上自衛隊が心起きなく戦闘できると言う事ですね」
真剣な表情で言う。
長船「何れにせよ、ロバスト帝国と大局を決する戦いが、日本の何処かで行われる事は、我々は覚悟しなければならない」
英汰達が真剣に聞いている。
長船「そして、我々が戦っているのは、一つの国じゃない。一つの世界だ」
脳裏に、宇宙空間と地球が浮かぶ。
緊張する英汰達。
S9.公民館・駐車場
駐車場。
N 「そして、翌日」
英汰の顔のアップ。
英汰が鉄帽を外して、銃剣装着の小銃で、銃剣格闘の訓練。
英汰「ハッ! 」
銃剣を突く。
N 「オレ、彼奴に勝てるだろうか!? 」
魔法兵士の隊長の回想。
声 「第6小隊の隊員達は、直ちに、事務室に集合せよ! 」
屋外スピーカーのアップ。
英汰「!? 」
振り向く。
S10.公民館・事務室
事務室。英汰、播磨達が入室。
長船「第8臨時基地から、応援の要請だ。F市の工業地帯に行ってくれ」
英汰達に見ながら言う。
播磨「了解! 」
播磨、英汰達敬礼。
S11.NOTE運輸株式会社・全体
運輸会社。出入り口の前に、『NOTE運輸株式会社』と言う看板。車庫には、複数のトラックが停車。後方には、平屋の社屋が存在。奥の方に、アウトレット等の商業施設が見える。
S12.NOTE運輸株式会社・出入り口前
看板の前で、一人の隊員が、周囲を見ながら、警備している。
隊員11「!? 」
異変に気付き、小銃を構える。
播磨「第7臨時基地の普通科連隊第6小隊の播磨清史郎二曹です! 」
英汰「同じく、仙仁英汰陸士長! 我々は味方です! 」
英汰達が登場。
隊員11「第8臨時基地の第10小隊です! 詳しい話は奥で! 」
敬礼する。
S13.NOTE運輸株式会社・社屋
社屋の前。英汰達第6小隊と第10小隊の面々がいる。
三好「俺が第10小隊小隊長の三好一曹だ! よく来てくれた」
敬礼する第10小隊の小隊長の三好。ミリタリマフラーを巻き、迷彩服3型、88式鉄帽、戦闘靴2形、戦闘防弾チョッキ、戦闘装着セットを装備している三好、銃器は64式小銃(小銃に略)で戦闘(バックアップは9mm拳銃)。鷲鼻で、眉と眼の間隔が狭く、ベリショートの髪型の三好。
播磨「苦労しましたよ。途中で下車して、此処まで来てくれと言われたんで」
笑顔で返答。
三好「スマン。是には理由があってな」
頭を下げる。
英汰「と言うと? 」
前に乗り出す。
三好「実はな」
三好の顔のアップ。
(第4話に続く)