漫画原作「ヒクイドリが帰ってくる」後編

①病院跡・入り口
入り口。二人の不良6と7が、警備。
颯介、入り口にある木に隠れている。
颯介「時間だ! 」
腕時計を確認。
颯介「作戦開始! 」
鞄から、爆竹を取り出し、火を付ける。
颯介「行け! 」
爆竹を入り口目掛けて投げる。
爆竹が入り口の近くに落下。爆竹が炸裂。
不良6・7「何だ? 」
驚く不良達。
其処へ、琥太郎が、素早く現れて、不良6の腹部にボディーストレート。続いて、不良7にボディージャブを打ち、不良達を素早く倒す。

②病院跡・ロビー
ロビー。多くの不良達が屯している。
不良8「何か聞こえなかったか!? 」
椅子から立ち上がる。
不良9「警察の奴等が踏み込んで来たか!」
読んでいた雑誌捨てて、立ち上がり、様子を伺う。
ドアが開く。琥太郎が登場。
不良達「!? 」
突然の登場に驚く。
不良10「誰だ! 手前? 」
琥太郎「知り合いの友達を返してもらおうか」
不良11「お前に関係ないだろ! 」
琥太郎「色々とあってな」
琥太郎のアップ。
不良12「他人の家に土足で入ってくる奴は痛い目みせてやる! 」
琥太郎の前に立ちはだかり、構え始める不良達。
琥太郎も構える。
不良12「野郎共! やっちまえ! 」
一斉に襲い掛かる不良達。
先ず、攻撃して来た不良13をワンツーの連打を打つ琥太郎。
連打が直撃し倒れる不良13。
続いて来た不良8に、ミドルキックを入れる琥太郎。
キックが直撃して、倒れる不良8。
不良9「この野郎! 」
次に来た不良9の攻撃を回避して、ハイキックを入れる琥太郎。
キックが直撃して、倒れる不良9。
なりふり構わず、攻撃する不良10の攻撃を素早く回避して、肘内ちを入れる琥太郎。
肘内ちが直撃して、倒れる不良10。
不良11「ふざけやがって! 」
琥太郎を後ろから、羽交い絞めする不良11。
琥太郎「フンッ! 」
しかし、思い切り、力を入れて、不良11の手を解く、そして、素早く首相撲の体勢になる。
不良11「グフッ」
首相撲の体勢から、膝蹴りを喰らう。不良11を椅子の方向に投げる琥太郎。
不良12「テメエ! 」
遠くに、不良12が構えている。
琥太郎も構え直す。
不良12「ウォー! 」
琥太郎の方向へ走って来る不良12。
冷静に構えている琥太郎。
攻撃を回避する琥太郎。そして、不良12の懐に飛び込み、アッパーを打つ。アッパーが直撃して、吹っ飛ぶ不良12。

③病院跡・診療室
診療室。陽葵が、下を向いて、暗い表情座っている。
突如、ドアが開く。
陽葵「!? 」
ドアが開いて、颯介が登場。
陽葵「貴方は? 」
颯介「陽葵さんだね。僕は酒井颯介、結菜の兄だ」
膝をついて挨拶。
陽葵「結菜が!」
脳裏に、結菜が過る。立ち上がる陽葵。
颯介「家に帰ろう! 」

④病院跡・ロビー
ロビー。琥太郎が一人立っている。
琥太郎「!? 」
何者かの気配に気付く。
階段から、ストーン、ロング、シザースが降りて来る。ストーンがナックル、ロングが鎖、シザースが鉄パイプを持っている。
琥太郎「次は、お前等か」
構える琥太郎。
ストーン、ロング、シザースも武器を持って構える。
ストーン「ウォー! 」
琥太郎に、殴りかかる。
冷静にストーンを見る琥太郎。
両者共パンチを繰り出すが、カウンターで琥太郎のパンチが先に届いて直撃、倒れるストーン。
琥太郎の目の前にロングが現れる。
ロングが鎖を鞭の様に打って攻撃するが、素早く回避する琥太郎。しかし、同時にシザースが鉄パイプを振り下ろして、攻撃する。
素早く回避する琥太郎。
武器を持って構えるロングとシザース。距離を置いて構える琥太郎。
ロング「くたばれ! 」
鎖を琥太郎に投げる。琥太郎、鎖を左手でキャッチする。
琥太郎「フッ! 」
鎖を思いっきり、自分の方に引っ張る。引っ張られて来るロング。
琥太郎、引っ張られて来たロングに前蹴りを入れて、体勢を崩した後、ストレートを打って、ロングを倒す。
シザース「この野郎! 」
鉄パイプを振り下ろし、攻撃する。
琥太郎、素早く回避。
琥太郎、シザースの懐に素早く飛び込む。
琥太郎「ハッ! 」
回転して、シザースにバックブローを打つ。直撃して、鉄パイプごと倒れるシザース。
声 「見事だ」
琥太郎「!? 」
声の方向に振り向く。
仁王立ちで、リーダーが現れる。
琥太郎「貴様は? 」
リーダー「このチームのリーダーだ」
琥太郎とリーダーの顔のアップ。

➄病院跡・入り口
入り口。ドアが開いて、颯介と陽葵が病院跡から出て来る。
颯介「此処を出たら、結菜とお父さんとお母さんが待ってる」
陽葵「はい」
不良14「オイ! お前! 」
颯介「!? 」
驚く颯介と陽葵。別行動でアジトを留守にしていた不良達が戻って来る。
不良14「仲間から、俺達のアジトが襲撃されてるって、電話があったんだが、お前関係あるのか? 」
颯介「ウッ! 」
前に出て、陽葵を守る。
不良15「さっき、町で仲間がカツアゲしようとして、返り討ちにしたのも、お前だな! 」
颯介「彼女だけは、脱出させるぞ」
額に汗して、陽葵を見る。
迫り来る不良達。
声 「オイ、待て! お前達! 」
不良達「!? 」
振り向く、不良達。
肇 「お前達の相手は俺達だ! これ以上の、町の治安を乱すのは許さん! 」
肇が、同じく熟年の警察官のOBを引き連れて現れる。
不良15「爺! 」
睨む様に言う。
颯介「有難うございます。貴方は? 」
陽葵と共に、肇に駆け寄る。
肇 「定年退職して、警官のOBと一緒に、町のパトロールをやってる者だ! 序に、町の不良と戦ってるがな」
ニヤリと笑う。
颯介「そうだったんですか! 」
笑顔で驚く。
肇 「俺の家に、妹さんが、琥太郎とお前さんが、不良達のアジトに行ったから助けて欲しいと言って来たからって訳さ」
回想、肇の家の玄関に、結菜が急いで現れる。
肇 「此処は、俺達が引き受けた! 兄ちゃんは、お嬢さんを無事に家に送り届けるんだ! 」
颯介「ハイ! 」
陽葵と共に、走って退場する。
不良13「この野郎! 」
肇を睨む。
肇 「お前等の相手は俺達だ! 何処からでも、掛かって来い! 」
構える警官のOB一同。
不良13「お前等やっちまえ! 」
激突する肇達と不良達。

⑥病院跡・ロビー
ロビー。向かい合う、琥太郎とリーダー。
リーダー「此処まで来たのは誉めてやろう。だが、俺は他の連中とは違うぞ」
冷酷な表情。
琥太郎「何が有っても、お前に勝つ」
冷静にリーダーを見る。
構える二人。
走り出す琥太郎とリーダー。
激突する両者。
素早く殴り合う琥太郎とリーダー。
しかし、両者共、素早くパンチを回避する。
N 「コイツ、他の不良達と違って素早いぞ」
攻撃しながら、心の中で言う琥太郎。
ニヤリと笑うリーダー。と同時に、パンチの速度も速くなる。
リーダーのパンチを紙一重で回避する琥太郎。
リーダー「お楽しみは、こらからだ」
と言って、リーダーの高速のパンチ攻撃が激しくなる。
琥太郎に、パンチが直撃するが、琥太郎両腕で防御。
琥太郎「クッ! 」
猛攻に耐える。
リーダー「喰らえ」
と言って、琥太郎の中心部にミドルキック放つ。琥太郎、両腕で防御。
リーダー、高速で琥太郎にストレートを打つ。
しかし、琥太郎がパーリングで、ストレートを弾き返す。
リーダー「何!? 」
焦る。
鋭い琥太郎の眼光。
琥太郎「反撃開始だ!」
と言って、リーダーの懐に飛び込み、高速でワンツーを打つ。
リーダー、ワンツーを回避するが、琥太郎回転して、リーダーの顔面に肘を入れる。
リーダー「ウッ! 」
琥太郎、もう一度、リーダーの懐に飛び込もうとする。
リーダー「その手は通用せん! 」
懐ではなく、リーダーの後ろに廻る琥太郎。
リーダーに、スリーパーホールドを掛ける琥太郎。
リーダー「ウッ」
呻く。
リーダー、肩や腕等身体を緩くさせ、スリーパーから脱出しようとする。素早く抜
け出し、琥太郎の右腕を掴む。
琥太郎「甘い」
右腕を掴まれながらも、リーダー目掛けて、ボディーフックを炸裂させる。
リーダー「グッ」
呻く。
一瞬を突いて、もう一度後ろに廻る琥太郎。
琥太郎「フィニッシュだ! 」
リーダーを高く持ち上げる。そして、物凄い勢いで前方へ落して、ワンハンドバックブリーカーを決める。
N 「こうして、不良達の起こした事件は終わった」
技を決めた琥太郎の横顔。

⑦病院跡・入り口
入り口。複数のパトカーが駐車。
N 「琥太郎さんや肇さん達の活躍で、町の不良集団は鎮圧されたと同時に、不良達に及び腰だった警察も動いた」
警官に連行されるリーダー、側近、不良達。それを見ている肇達と警官OB達。

⑧マンション・玄関
玄関。
N 「陽葵さんも、無事に、家族や結菜に再会出来ました」
陽葵が、玄関前で両親と結菜に再会。
N 「そして・・・」

⑨一軒家
二階建ての一軒家。
颯介「行ってきます! 」
ジャージを来た颯介が走り始める。
走る颯介の横顔。

⑩歩行路
歩行路を走る颯介。
N 「琥太郎さんは、何処かへと消えました」
笑顔の家族連れと擦違う颯介。

⑪町
町。登場人物達が笑顔でいる。
N 「また、不良達の様な連中が町に現れるかもしれない」
旗を持って、子供達を誘導する肇。
N 「でも、琥太郎さんが帰ってきて、また、悪者を倒してくれると言う保証もない」
笑顔で街を歩く結菜と陽葵。

⑫歩行路
歩行路。
N 「だから」
走りながら、パンチを打つ颯介。
颯介「僕、強くなります! 」
脳裏に、琥太郎が過る。
上空に青空がある中で走る颯介。