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【読レポ】大坪研一監修『再発見!コメの魅力 お米の未来』

私の記事に関心をお持ちくださりありがとうございます。

【読レポ】大坪研一監修『再発見!コメの魅力 お米の未来』

新聞紙が好き
【買レポ】でも度々ご紹介しているとおり産直市場巡りが好きです。
と言っても、だいたい伺うお店は決まっているのですが。
この夏は、というか10月も半ばなのに「ウソでしょ」というような気温が続く中、少し遠い場所で購入した時には、小袋に氷をいただいて保冷バッグの中に入れて自宅まで運びます。
野菜、特に葉物が氷の冷たさで傷まないように、氷も野菜もすべて新聞紙でくるみます。
その、新聞紙、だいたい産直市場に置いてあるのが、各地元の新聞、日本農業新聞、日本食糧新聞、日経流通新聞(日経MJ)などなど。
企業に勤めていた頃は、日経産業新聞(2024年4月より休刊)、日経MJが好きでお昼休みなどに読んでいました。
退職後も家族に「日経MJ読みたいんだけど、取っていい?」「僕も読みたいからいいよ」と購読していました。
していました、と過去形なのは、留守がちでお取り置きしていただいても新聞紙がたまる一方でなかなか読めなくなってしまったので、泣く泣く購読を止めてしまったから。
保留中の「スキ」や「フォロー」をくださったクリエイターさんの記事読みと同じ状態です。
申し訳ない…
新聞紙でも、椎名誠さんの『もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵』(角川文庫)
「じら、じら、じがでたろ、じだじだ…」状態で、自宅に戻って野菜を冷蔵庫に入れた後、くしゃくしゃになった新聞紙を広げて読んでしまいます。
別に昨日、今日の新しいニュースでなくても構わないのです。
新聞紙、大好き 笑

大坪研一監修『再発見!コメの魅力 お米の未来』(日本食糧新聞社)

今春の食関連のビッグサイトでのイベントの時に、日本食糧新聞社さんのブースがあったんです。
それで、基本、本は紙版の我が家、日本食糧新聞社さんのブースで物色。
見つけたのが、この本です。
新潟薬科大学 特任教授の大坪研一先生が監修しておられます。
執筆は分担されていて、お米関連の研究、商品開発などをされている大学、農水省、国立研究機構、自治体、法人(公財、一社、公社、)協会、企業などの担当者が寄稿しています。
各センテンスとも論文ほどは長くないので、テキストや教科書代わりに使えそうな感じになっています。
発行が2023年4月12日初版のため、2022年のデータがベースとなっていて、昨年度の作付け収穫や今年度の米騒動についての記載はありません。

『再発見!コメの魅力 お米の未来』内容
発刊にあたり・・・新潟薬科大学 特任教授 大坪研一先生
第1章 コメの機能性と消費拡大
 ・コメの機能性と食味
 ・コメの消費拡大に向けた取り組み
第2章 コメ加工技術の変還
 ・コメと加工
 ・広がる米粉の新規利用
第3章 コメのこれから
 ・コメとSDGs
 ・担い手支援

私が面白かった記事をピックアップ
・「玄米」玄米を軸にしたお米の消費拡大・・・一社 高機能玄米協会
 マクロビの方々の食事にはふれていませんが、NHKスペシャルに関連した内容です。

・コメの政策・マーケットの変還 ~生活向上で消費減、新技術が可能性高める~
 令和の米騒動にも関連するような内容です。

・地域活性化研究所による生産地支援・・・幸南食糧株 地域活性化研究所 橋本太郎氏
 高校生を巻き込んだ産学農連携の具体例が面白いです。【食トレンド】グルテンフリー(米粉製品)の時代がやってくる?で紹介した高校生の食のトレンドの方向性は間違っていないと感じる内容でした。

・世界のコメ生産と今後のゆくえ・・・九州大学 名誉教授 伊東正一先生
 インディカ米とジャポニカ米の国際価格、コメ貿易、今後の需要としてヴィーガン食・植物由来食(WFPB食)・玄米に医者が注目しはじめ、健康食として世界的に高まりつつあるという内容です。【食トレンド】2075年には、世界中がヴィーガンになる?にも関連して面白いです。

・増粘剤を使用しない米粉100%パンの開発とメカニズムの解明・・・国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 食品加工・素材研究領域 食品加工グループ 矢野裕之氏
 農研機構が増粘剤を使用せず、米粉、水、イースト、砂糖、食塩、油脂の6つの原料だけでパンをつくる製法を開発した内容がまとめられています。いろんなところで「米粉だけでは膨らまない」というお悩みを聞いていましたので、画期的だと思います。

・アレルギー対応 コメ由来の原料を用いた大豆・小麦アレルゲンを含まない醤油風調味料の製造方法・・・山崎醸造株&新潟県農業総合研究所食品研究センター
 日本農林規格(JAS)によって定められている醤油の定義に該当しないので、醤油風としか表示できないのですが、この商品開発もアレルギーを持つ人々にとって画期的だと思います。