続・体験格差。体験が無理なら、せめて喜ばせたいのに。【ひねくれ育児日記】
前編はこちら。
息子が行きたがった室内遊び場に行った。
ただ、最初に遊んだ、電車型の乗り物で、息子が自分でペダルを踏みたがらず、私が押すことになった。重いので私が「自分で動かそうよー」とぶつぶつ言ったことで、息子は気分を害したらしい。
後に、時間終了後に楽しかった?と聞くと「う〜ん、つまらなくはなかったかな〜」と。
遊び場のサービスで、時間終了後にクレーンゲームを1回やらせてもらえたのだが、やはり取れず、泣き出す。
「これで最後だからね?」と言いながら、うまいサービスだなあと思いながら、300円ほど突っ込むことに。(初心者向けの機械だったので、第一希望のものではなかったがそれで取れた)
昼食はパスタかケンタッキーと私が候補を出し、「パスタ」と息子が言うので行ってみたら行列。息子も納得してケンタッキーへ。
息子は食べやすい骨なしチキンが好きなのだが、私が店員さんに伝え忘れ、骨つきチキンが出てきてしまう。気付いて悲しげな顔になる息子。(とはいえ、先日家で作った手羽元の煮物が気に入って何本も食べていたせいか、まあまあ上手に食べられた)
昼食後は、事前に私がヨシタケシンスケ展に行こうと誘っていた。それには電車で2駅移動しなければならない。息子が渋るので、じゃあ行く前に近くの噴水で水遊びする?と、検索して写真を見せてみる。しかし規模が小さいと思ったようで、それなら家の近くのじゃぶじゃぶ池に行きたいという。
話がまとまらないうちに、息子は「眠たい」と言いだし、私の膝で寝てしまった。
そのまま1時間弱経過し、起きて「もうお家に帰りたい」という息子。せっかくだからもう少しどこか行きたい私、おもちゃ屋さんに行く?と誘ってみると、行くという。
それで行ってみたが、試しに遊べるおもちゃで、息子の好きなものはあまり置いていない。
じゃあおやつを食べて帰ろっか?と、そのビルにあるアイスかクレープの店に誘ったら、クレープがいいと言う。
クレープ屋に行ってどれがいい?と聞くと、トッピング全部盛りの一番高いクレープを指す息子。「ええ〜高い、、、こっちは?」とついまたぶつぶつ言っても「これがいい」と譲らない息子。結局、アイスを二つ買ったと思えば同じくらいだよね、と自分に言い聞かせてそれを注文し、二人で分けることに。買ってみると、クリームたっぷりでとても美味しくて、分けあっても十分なボリュームだった。
食べ終わって帰ろうとすると、息子はエスカレーターを降りたところで「疲れた」といい、立ち止まってしまう。
さっき、おもちゃ屋に行かずに帰ればよかった。ただ疲れさせただけ。誘わなければよかった。そんな後悔が押し寄せて、駅の改札まで抱っこして歩いた。
一日中、定義にあるような「体験」なんて何一つできていない。
それどころか、息子の希望を叶えようとしているのに、息子が楽しめるようにしようとしているのに、全然楽しませられていない。
そんな自分が情けなくて、息子に申し訳なくて。
子どもに喜んでほしい。子どもの笑顔が見たい。
そう思うとどんどん「体験」から遠ざかっていく。焦る。
それでも子どもが喜んでくれているなら、まあいっか、と思えたりもする。この子にとってはこれも「体験」なのかもしれない、と都合よく思ったりもできる。「体験」をしてもあまり楽しくなかった経験が自分にあるし。
でも、喜ばせようとしても喜ばせられなかったら。何をやっているんだろう自分、と思うばかり。
子どもは親の思い通りには動かない。わかってはいても、辛くなる。
お盆は、夏は、そんなことをより強く感じる季節だ。
ヨシタケシンスケ展、行けないまま終わってしまうかもしれないなあ。
親になってからいくつも経験してきた「諦め」が一つ増えるだけ、なんて思考が染み付いてしまっている。