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2-12.書く力をつけるプログラムfor小学生最終日

3日目。
又ドラマがたくさんあった。
子どもたちも慣れてきたところで終わりというのがわかっている。
今回でどうにか形にしなければと思っている。
5年生なのに、そういうのはしっかり理解しているんだな。と感心する。

今回は、シナリオを少し変更した。
途中で、子どもたちに自発的に自分の発表をしてもらった。
3日目で「ここでどう思ったの?」「なぜそう思ったの?」と質問されるのも飽きてきたこともあるだろう。
煮詰まってきた様子も見受けられる。
そこで、子どもたち2,3名に発表をしてもらった。
今回「視点が面白い子」「構成がわかりやすくかけている子」をという狙いがあった。

今回指導していて、学生から出ていたのが、
「きれいごとばかりを書く子が多い」ということだ。
本人はきれいごとは認識していないが、
「こう書くことを望まれている」的にまとめる子が多い。
例えば、今回は成長したことがテーマなのだが、

「自然教室に行って、こんなことをして、友達との協力が大切なことがわかった。」
もちろんそれが本心で一番伝えたいことならそれはそれでいい。
でもどうもそれじゃ、、と腑に落ちない子が居る。
その子たちは、学生が質問したところで、うまく答えられない。
シートにはもちろん上記のようなことがあるが、本当に伝えたいことじゃないからだろう。

学生Eくんは、担当Mくんといろんな話をしていて、
あることに気付く。
楽しかったことは、夜友達と息を殺して先生の見張りを回避し夜中まで起きていたこと。

これは、小学校の先生たちから言わせれば掟破りだ。
でもEくんは「いいじゃん。面白いよ。ほんとにそう思ったんだろ」と彼の思考をほめてやる。
このMくん、最初は話しかけても堅くてほとんど話をしてくれない感じの子だった。
でも3日目には、Sくんのものまねを目をキラキラさせながら見つめ、
大笑いをしていた。
(余談:大学生Sくんはこの後お笑いの道に入り、芸人になったw)

Eくんはそんな彼の視点を、みんなの前でほめた。
「Mくんは、”みんなと一緒になって息を殺して静かに出来た。それが本当の協力。”ということを書きました。面白いよね」

すると担任の先生が一番に「面白い!」と言ってくれた。
この一言は子どもたちにかなり効いたのではないかな。

「こんなこと書いたら怒られるよね」。
子どもたちは潜在的にそう思っているようだ。

学生とのトークの中でも「だって先生に怒られるもん」という答えを数箇所で聞いた。

自分の気持ちの中に
表現していけないことってほとんどないんだよ。
ってことはぜひわかってもらいたかったから、
このMくんの事例はとても良かったと思う。
*これは今後も使わせてもらいたい。

子どもたちには「”一番伝えたいこと”と、どんなことを書こうかと思っているか」を発表してもらった。
基本的には自主的に手を挙げさせる。

自分に自信があって、書くことが決まっているという、もうそのままでもしっかりした文がかけそうという子もいれば、
学生が指導をてこずっているのに、自分から手を挙げる子も。
でも、それはそれでその子は自分なりに「コレが伝えたい」というのがある。
今回のテーマである「成長」とはすぐにつながらなくても、「楽しかったことを伝えたい」というのは、シートを見ていてもわかる。
なので、彼には発表をしてもらった。
彼がやる気になって、書くこと表現することが好きになるのであれば、テーマにあっているかという今回の課題はそのうち修正されるだろう。

今回、学生の中からも出ていたが、
「成長したこと」と「伝えたいこと」は必ずしもイコールではない。という課題。

指導する中で悩むものだが、
今回の目標に照らすなら、自分の中にある思いに気付き、表現することが大切であるのだから、伝えたいことが優先する。
(本当はイコールにもって行くのがベスト)

作文は、自分の気持ちを伝えるためのものだよ、と
子どもたちにはメッセージしているつもりだ。
学生たちも、子どもたちと接触する中で直接ではなくても伝えているはず。
3日間、学生に呪文のように「その時どう思った?」と連呼された子達は、
どんな文章を書くのだろうか?

個人の個性もあり、クラスの個性もあり、それも面白かった。

いろんな部分でいろんな気付きを得たプログラム。
学生も、子どもたちも、そして私自身も、
本当に「やってみたからこそわかる」ことを体験したと思う。

さて、これからはアフター書くP。
学生さんには、今回の体験をシートに書いて、組み立て、作文を作ってもらいます。
ここまでがプロジェクト。

最後に3年生Aくんからのメールを転載。
彼は初日と2日目の参加でした。
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今回は、書くプログラムに参加させていただいて本当に有難うございました。私は1.5日しか参加できませんでしたが、今日帰ってきて、何ともいえないモヤモヤした何かを得た気がしています。

正直、小学生に教えることは想像以上に難しく、戸惑いました。疲れました。笑
しかし、「なんで?どう思ったと?」「そのときの気持ちは?」と生徒に問うているうちに、自分は文章を書いていないのに、同じ質問を自分にもぶつけているようで不思議な感覚でした。

特に私は今、就職活動の真っ最中なので、余計に何かを感じたのかもしれません。「自分のよさはなに?なんでそう思うと?」「一番つらかったときいつ?どんな気持ちやった?」など、今現在、頭の中を駆け巡ってます。笑

「人を教えるには、まず自分が理解していなければ教えられない!」と思い込んでいましたが、今回のプログラムがそれを壊してくれました。教える側も一緒に勉強する!そこでしかわからないものがある!一緒に考えて理解を深めることが大切!ということを実感しました。

今後、今こころの中にあるモヤモヤが「ああ!これか!」とどこかで気づけることがめちゃくちゃ楽しみです!今でも十分何かを得た気がしますが・・・
大学の全く面白くない板書講義の何億倍もためになりました。笑

次回も是非参加させてください。
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